日本は正攻法だ!“メンバー変更”使わん

[ 2008年8月13日 06:00 ]

キューバとの初戦を前に厳しい表情で会見する星野監督

 キューバも韓国も正攻法で倒す!北京五輪に出場している日本代表・星野仙一監督(61)らスタッフは12日、北京のウーケソン球場で行われた監督会議に出席。試合1時間前のメンバー表提出後も2人まで選手交代が可能となったことに星野監督は憤慨し、日本はメンバー交換などせず正攻法で臨む考えを強調した。チームは午後8時からウーケソン第1球場で最終調整を行い、13日のキューバとの初戦に備えた。

【星野ジャパン


 午前9時からの会議は大紛糾した。11時予定の監督会見時間を過ぎても終了せず、8カ国の指揮官は2時間半の熱いバトルを繰り広げた。

 「ナンボ言ってもアカンわ。幼稚園のミーティングみたい。もう決まってるんやから」と星野監督は疲労困ぱいの表情。大半の議題で米国とキューバが対立する中、日本はプレーボール直前のメンバー変更禁止の規則化を主張したが、受け入れられなかった。

 試合開始1時間前に大会本部へ提出する先発オーダーは正確にはマスコミへの広報用。10分前に両軍がメンバー交換をすることになっている。紳士協定ではこの間の変更はされてこなかったが、昨冬のアジア予選・日本―韓国戦で先発投手を読み違えた韓国がスタメン10人中7人も入れ替え、物議を醸した。

 国際野球連盟(IBAF)の規定では1人まで変更を可とし、2人以上の場合は罰金1000ドル(約11万円)を科している。だが11日の技術委員会では、北京五輪に限り2人までOKとする緩和策を決定。3人目からは1人につき1000ドルを徴収するものの、IBAFのダーリン技術委員は「スポーツマンシップにのっとって…」と苦しい報告しかできなかった。

 昨年はなかった罰金制度こそ導入されているが、星野監督は抑止力は低いと見ている。「やる国はそれぐらいのお金なら払うだろ。不可抗力のケガ以外は認められないって言ったって抜け道はナンボでもあるしな」。監督会見では韓国プレスから「韓国では誰を警戒するか」との質問に「特別にはいない。メンバーを代えないのが望ましい」と皮肉を込めてやり返した。「やるならやっても構わない。でも日本は正々堂々と戦うだけや」。システムに不満を抱えながら、星野ジャパンは世界への頂点に挑む。

 ≪タイブレーク詳細も確認≫監督会議ではタイブレーク方式の詳細についても確認された。同方式に入る延長11回前に両軍がどの打順から始めるかを同時に提出。それを見て守備側は投手を含めて選手を交代することができる。またスタート時の無死一、二塁の走者2人が本塁へ還った場合は失点になるが、自責点にはならない。予選リーグでは失点率が順位決定に影響するため、失点する確率が高いタイブレークに入ったチームは順位決定で不利になる。今回の突然の導入は物議を醸したが、IBAFのシラー会長は「(放送)時間内に試合を終わらせることはマスコミに対して大切なこと」と苦しい説明をしていた。

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2008年8月13日のニュース