マ軍監督の予言、半分当たる

[ 2008年7月30日 09:56 ]

 大台まであと1本。イチローは1打席目の初球から積極的に振った。打球は遊撃の頭を越え、左中間の浅いゾーンに落ちた。敵地、しかも日米通算の記録にもかかわらず球場の電光掲示板には快挙をたたえる文字が浮かんだ。一塁に立つイチローには、ささやかだが温かい拍手が送られた。

 試合前練習では、早い時間に詰め掛けた米国人ファンらから「あと1本」の声が飛んだ。スタンドには「出せ3000、目指せ4000」などと書かれたボードを掲げる日本人ファンの姿もちらほらあった。大リーグデビュー当初を思わせる大勢の日本の報道陣が見守る中、イチローはフリー打撃だけで切り上げた。
 前日の練習中に自打球を受けた右すねの状態は回復している。高温多湿のテキサスで短めの練習はいつも通りだ。淡々とルーティーンをこなすイチローの様子は、3000安打の節目が目前に迫っても変わらなかった。
 マリナーズのリグルマン監督は試合前にイチローの大台到達を「1打席目、右中間二塁打」と予言した。内容はやや異なったが、この試合に臨むイチローの気迫を感じとっていたからこその言葉だった。(共同)

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2008年7月30日のニュース