ノーシードから岩倉 修徳うっちゃり8強

[ 2008年7月22日 06:00 ]

<岩倉・修徳>9回1死満塁、中前にサヨナラ適時打を放った岩倉・執行(右)は関口貴といっしょに飛び上がって喜び合う

 第90回全国高校野球選手権大会(8月2日から17日間、甲子園)の地方大会は21日、35大会で108試合が行われ、新たに6校が甲子園出場を決めた。東東京大会では岩倉が逆転サヨナラ勝ちでシード校の修徳を撃破。昨年初戦敗退のどん底からの頂点まであと2勝だ。茨城大会では元ダイエー外野手の大野久監督(47)率いる東洋大牛久が3年連続4強入りを決めた。22日は京都、島根、熊本大会で決勝など、29地区で90試合が行われる。

 【岩倉6―5修徳】甲高い音を残して、岩倉・執行(しぎょう)の打球が中前へ抜けていった。同点に追いつき、なお9回1死満塁。途中出場の背番号15が一塁ベンチを指さし、雄叫びとともに一塁ベースを駆け抜けた。
 「サヨナラ打は高校に入ってから初めて。(ベンチでは)ずっとテンション上がりっぱなしでした。うれしいです」
 第4シードの強豪・修徳をうっちゃった。ヒーローの執行は1年時からレギュラーだったが今年5月に腰痛を発症。慢性化し、この日も痛み止めをのんでプレーした。「(腰痛の影響で)仲間と一緒にできないのが悔しくて…。でも打席では痛みを忘れてます」。1メートル66の小兵ははにかんだ。
 84年センバツでKKコンビ擁するPL学園を撃破し初出場で優勝した同校もその後は低迷。初戦敗退した97年夏以降、甲子園からは遠ざかっている。さらに昨夏は野球部創部以来初となる1回戦敗退の屈辱も味わった。「去年の悔しさがあって、選手が本当によく練習をやるようになった」。中日・豊田スカウトのおいでもある豊田浩之監督は「力のある1年生も入ってきて、競争によってチーム全体が力を付けたと思う」と続けた。
 5年ぶりの8強入り。「これからも高校生らしく、1つずつ頑張っていければ」。謙虚な豊田監督の言葉とは裏腹に周囲の期待は高まる。シード8校中、6校が敗れる波乱の東東京。ノーシード岩倉がどん底から頂点へとはい上がる。

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2008年7月22日のニュース