あるぞ!松坂から!イチロー3000安打

[ 2008年7月20日 06:00 ]

4回、二塁内野安打を放ち、一塁へ全力疾走のイチロー

 【マリナーズ8―2インディアンス】マリナーズのイチロー外野手(34)が後半戦開幕となった18日(日本時間19日)、シアトル(米ワシントン州)でのインディアンス戦で2安打を放ち、日米通算3000安打まで残り9本に迫った。7月は打率・382と完全に安打量産態勢に入っており、4試合目となる22日のレッドソックス・松坂大輔投手(27)との対戦で記録達成の可能性も膨らんできた。

 イチローの表情はさわやかだった。無理もない。初回に鮮やかなライナーで中前へ運ぶと、4回にも二塁へ得意の内野安打。後半戦の開幕試合で2安打を放ち、日米通算3000安打まで、ついに1ケタの9本。「早い段階で1本欲しいところ。何日か(日程が)空いた中で変な感じがあるので、それを早く取り戻したいところだった」と納得の表情だった。
 だが、これで終わらないのがイチローだ。7点リードで迎えた5回の4打席目は本塁打を狙った。真ん中高めの直球をわずかに打ち損じての右飛だったが「ホームランだってヒット1本でしょ。ホームランを打つチャンスがあるのに、いちいち(ヒット狙いとか)そんなことを考えながらしてたらつまらない」と言った。今季のテーマは「遊び」。記録へのカウントダウンが始まってもそのスタイルは不変だった。
 重圧はない。「(記録まで残り)10本から9本となると、見ている人は減っていると思っている。でも僕はヒットが1本増えていると思っている」。カウントダウンではなく、安打数が1本増え、その積み重ねが記録につながると考える。7年連続200安打や大リーグ記録の年間262安打の重圧と向き合ってきたイチローならではの“逆転の発想”だ。
 全試合出場を続けるイチローは夏場を迎えても疲労を感じさせない。「緩めるだけでは駄目。どこに力を入れてどこを抜くか。自分のいいバランスを見つけなければいけない」。背筋を伸ばし、下半身も内側を意識して、ブレない中心軸と体の柔軟性の調和を図っている。その努力が疲れ知らずの肉体を生み出す。7月は55打数21安打の打率・382。先発出場した13試合中8試合で複数安打を記録し、量産態勢に入った。この勢いなら残り5試合ある本拠地での達成はもちろん、松坂が登板する22日のレッドソックス戦が記録達成をかけた大一番となる可能性もある。
 球宴後にイチローは「(後半戦は)僕を見に来てくれている人はたくさんいる。見に来てくれている人の視線を意識してプレーしたい」と言った。背番号51はどんな形で3000安打を達成するだろうか。

 ≪「イチローをトレードに出すべき」≫3000安打に突き進むマリナーズ・イチローは周囲の逆風とも戦っている。地元紙のシアトル・ポスト・インテリジェンサー紙は17日付で、コラムニストによる「チーム改革のため、イチローをトレードに出すべき」という記事を掲載した。同紙はネット上でイチロー放出の是非を問う読者投票も実施。結果は日本時間19日午後9時現在で約3分の2の67%が放出反対となっている。

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2008年7月20日のニュース