小林がチーム80試合目で初完投・完封

[ 2008年7月17日 06:00 ]

<阪神・広島>プロ入り初完封勝利を挙げた小林(右)をハイタッチで出迎える大矢監督

 【横浜4―0広島】強心臓ルーキーが大きな1勝をつかんだ。横浜の小林は無四球の95球、二塁すら踏ませない打者28人の省エネ投法で自身初の完封劇。チーム今季80試合目で初完投、初完封のおまけつきだ。「5回ぐらいからお客さんに“完封しろ”と言われていたので意識した。次の登板も完封できるよう頑張りたい」

 初回、いきなり東出に中前打を浴びたが、アレックスを二ゴロ併殺打に切り抜け波に乗った。最速147キロの直球に切れ味鋭いスライダー、チェンジアップを織り交ぜ重ねた内野ゴロは13個。球団では97年9月14日・広島戦(広島)で川村が達成して以来の新人の完封に「リズム良く投げられた」と納得の表情だ。
 ピンチで投げ急いで痛打を食らう欠点を吉田投手コーチと二人三脚で修正した。水を満タンに入れた紙コップを両手で持ち、投球の際の体重移動を繰り返すトレーニングを6月下旬から実践。下半身を開かずタメをつくることを意識した練習で球に切れが増した。交流戦で楽天・岩隈と投げ合い、2度投げ負けたことも「岩隈さんはテンポ良く投げているから野手もリズムが出る。タイプは違うけど参考になる部分は大きい」と成長への教材とした。
 15日に急逝した石田打撃投手に1日遅れで白星をささげた。小林が生まれたのは石田氏が取手二時代に甲子園で初マウンドを踏んだ83年と赤い糸で結ばれている。「先輩が亡くなったので絶対に勝とうという気持ちが強かった」。借金31と依然、厳しい戦いは続くが横浜の未来を担う小林がマークした4勝目は特別な意味を持つ。「よく投げてくれた。この完封で一本立ちしてくれれば」と大矢監督。「投げる試合は全部勝つつもり。10勝を狙います」。晴れ晴れとした表情で引き揚げる右腕は頼もしかった。

続きを表示

2008年7月17日のニュース