松井秀左ひざ手術濃厚 代役はボンズ?

[ 2008年7月17日 06:00 ]

 左ひざ痛で故障者リスト(DL)入りしているヤンキースの松井秀喜外野手(34)が今季中に手術を行うことが15日(日本時間16日)、濃厚となった。患部の腫れが引かないため、18日に再検査を受けることが決定。手術に踏み切った場合は今季中の復帰は絶望となる。松井の代役候補として、通算762本塁打の大リーグ記録を持つバリー・ボンズ外野手(43)の名前が急浮上してきた。

 球宴明けの復帰を目指していた松井にドクターストップがかかった。13日の練習後、再び腫れ上がった左ひざはこの日も引かず、2日連続で練習を取りやめて治療に専念。首脳陣の判断で、16日に調整先のフロリダ州タンパからニューヨークに戻り、18日に再検査を行うことが決まった。
 球宴が始まる直前のヤンキースタジアム。タンパからの報告を受けたキャッシュマンGMは苦渋の表情で、松井の現状を説明した。「明らかに悪くなっている。手術は最後の手段だが、日々近づいてきている」。このまま治療を続けても復帰が大幅に遅れるのは確実で、再発の可能性もある。首脳陣は契約が残る来季をにらんで、完治させるために手術勧告に踏み切らざるを得ない状況だ。
 昨年11月に内視鏡手術を受けた右ひざをかばううちに悪化した古傷の左ひざ。タンパのマイナー施設で治療を行った松井は「手術をしたら(今年は)プレーできない。シーズン中は避けられればいいとは思います」と苦しい胸中を明かした。6月27日にDL入りし、7月8日にティー打撃を再開。12日からは2日連続で屋外でのフリー打撃を敢行した。ここで痛みや腫れが出なければ、次の段階の走塁練習に移行し、マイナー戦出場という青写真だった。しかし、巨人時代の98年に痛めて以来、10年以上の付き合いとなる古傷は再び悲鳴を上げてしまった。
 手術を受けた場合、今季チームトップの打率・323をマークしている松井の今季中の復帰は絶望となる。地元ニューヨークのメディアは早くも31日のトレード期限前に代役の獲得に動く可能性が高いと指摘し、筆頭候補にボンズの名前を挙げた。薬物使用疑惑に関する偽証罪などで起訴されているスラッガーだが、実績と知名度は申し分ない。今月24日に44歳になる高齢も、松井と同じDHなら守備の負担を軽減できる。キャッシュマンGMは「その話は早い。今はマツイの状態がどうなのかが一番」としながらも否定しなかった。今季は契約球団が見つからないボンズだが、現役続行を希望。実際、代理人のボリス氏は球宴期間中にヤンキースタジアムで売り込みを行っていた。
 前半戦を首位レッドソックスと6ゲーム差の3位で折り返したヤ軍。昨年5月には、史上最多のサイ・ヤング賞7度を誇るクレメンスを電撃復帰させた“実績”もあり、今年もサプライズが起きる可能性は十分ある。水面下で進行中の「ボンズ獲り」。今季限りで取り壊される現ヤンキースタジアムに、背番号55が立つ機会はもう訪れないのかもしれない。

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2008年7月17日のニュース