イチロー レーザービームでファン沸かす

[ 2008年7月16日 10:56 ]

オールスター戦の4回、右翼線打のプホルスを二塁アウトにし、ア・リーグ選手の祝福を受けるマリナーズのイチロー(右)

 フェンスで跳ね返った打球を拾う。イチローは振り向きざまに思い切り投げる。二塁カバーに入った遊撃手ジーターのグラブに美しい軌道の送球が吸い込まれた。右翼ポール付近からの1バウンドスロー。打者走者のプホルスは、仕方がないといった顔でベンチへ引き揚げるしかなかった。

 「捕ったのが(地元ヤンキースの)ジーターだから分が悪い。(二塁手の)ペドロイアが捕っていてくれたらね」。それでもファンの惜しみない拍手が気持ちよかった様子。「何が起こっても起こらなくても楽しかった」
 野球の聖地にふさわしい演出は数え切れなかった。開幕セレモニーでは名だたる殿堂入りの選手に一人ずつ声を掛けられた。「感動した。気持ちよかった」。試合中と同じ、熱い気持ちのままで話したい。そんな理由で試合途中の会見を希望した。狭い通路で大勢の報道陣に囲まれたイチローは、まだ上気した顔だった。
 「この場所で、ああいう打球がくるのが僕ということ」。思い入れの深いヤンキースタジアムへは、好プレーが一番の恩返しだ。イチローの声は最後まで弾んでいた。(共同)

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2008年7月16日のニュース