桑田Jr 公式戦デビューは四球

[ 2008年7月14日 06:00 ]

<桜美林・都翔陽>桜美林の1年生、前パイレーツ・桑田氏の長男・真樹が5回2死一、二塁、代打で出場

 【桜美林9―2都翔陽】親子2代での甲子園出場へ、桑田ジュニアが確かな一歩を踏み出した。元巨人・桑田真澄氏(40)の長男で、桜美林の真樹(まさき)外野手(1年)が西東京大会2回戦・都翔陽戦に出場。父が見守る中、5回に代打として打席に立った真樹は四球を選んで出塁。高校入学後公式戦初打席は“四球デビュー”となった。

 ネクストバッターズサークルで素振りをする背番号「9」にスタンドの熱視線が注がれる。「代打・桑田君」。5回2死一、二塁。アナウンスに後押しされるように打席に立った愛息に、観客席の父・真澄氏もソワソワしながらかすかに笑みを浮かべた。緊張の高校公式戦初打席はカウント1―3から外角低めのスライダーを見逃しての四球。桑田は「1打席しか立っていないので何とも…。でも緊張せずいつも通りやれた」と振り返った。
 98人の部員で1年生のベンチ入りは6人、1ケタ背番は2人と競争を勝ち抜いた。大会直前に右ひじを痛め、この日は同級生にスタメンを譲ったものの、試合中には先輩におしぼりを配るなど初々しく動き回った。15歳でベンチ入りしたのは父と同じ。当時背番号「17」だった父は83年7月26日の大阪大会4回戦・吹田戦に完封し高校デビューを飾ったが、桑田は高校初戦からグラウンドに立った。
 甲子園通算20勝、巨人でも通算173勝を誇る偉大な父は対照的に興奮を抑えきれなかった。「ドキドキして、あまり見ていたくない。自分がやった方がよっぽどいいね」。さらに「打席に立てただけでも良かったと思う。力を合わせて頑張るのが高校野球。いろんなことを学んでもらいたい」とエールも送った。
 桑田は中学時代、父が会長を務める「麻生ジャイアンツ」に所属し、中3時には関東選抜に選出された。周囲からはPL学園入学を勧める声もあったが、自宅から通える上、自由な校風に引かれ、桜美林進学を決めた。同校は76年夏、PL学園との決勝を制しての全国制覇をはじめ春夏10回の甲子園出場を誇る強豪。そこでも入学直後から練習でサク越えを連発し、レギュラーの座をつかんだ。父が高校時代に行っていた精神集中法も実践。「父が不調だった時に寮のトイレや床を掃除して邪念を振り払ったと聞いたので、僕も家のトイレを掃除しました」。“桑田イズム”は確かに受け継がれている。
 将来の目標はプロだ。「打撃は間違いなく僕以上。ケガさえなければプロに行ける」。幼年時代から指導してきた父が太鼓判を押す。試合後、桑田は「父の名前で(報道陣が取材に)来られるのは不満。自分の実力で来てもらえるようにしたい」と意地をのぞかせた。
 次戦は15日の中大杉並戦。「次は先発で出られるように頑張りたい」。甲子園の申し子といわれた父に似た目元に、グッと力を入れた。

 ◆桑田 真樹(くわた・まさき)1992年(平4)8月10日、東京都生まれの15歳。神奈川・金程小4年から軟式野球を始める。主に二塁手を務め、小5からは「たまプラーザスネークス」に所属し、硬式野球に転向。金程中時代は「麻生ジャイアンツ」に所属し、主に中堅、遊撃を務め2年夏に全国大会16強。家族は父・真澄氏、母・真紀さん、弟・将司くん。1メートル77、70キロ。右投げ左打ち。

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2008年7月14日のニュース