唐川球団新!高卒ルーキーで5勝目

[ 2008年7月12日 06:00 ]

<楽天・ロッテ>5勝目をあげたロッテの先発・唐川

 【ロッテ4―0楽天】また歴史に名前を刻んだ。ロッテのルーキー唐川侑己投手(19)が11日の楽天戦(Kスタ宮城)で7回1/3を7安打無失点の力投。球団初の高校出新人5勝目を挙げ、チームの最下位脱出に貢献した。3日の同カードでは4勝目をマークしながら楽天・野村監督から“酷評”された右腕が、再びの快投をみせて名将を見返した。

 雨の仙台で唐川がノムさんを見返した。7回1/3を7安打無四球無失点。2週連続で楽天を牛耳って、高校出新人では球団初の5勝目だ。
 「勝てたのは素直にうれしい。里崎さんのリード、バックの守備にも助けられたし、すべての人に感謝したい」
 直球はほとんどが140キロ前後で最速も144キロ止まり。スライダーの切れも今ひとつだったが、縦に割れる大きなカーブと抜群の制球力で凡打の山を築いた。先頭打者はすべて打ち取りテンポ良く力投。右手中指に血豆ができた影響もあって8回途中で交代も、三塁を踏ませず19歳初登板を白星で飾った。これでパ相手は5戦5勝。チームを今季7度目の3連勝、最下位脱出へと導いた。
 51日ぶりに白星を手にした3日の楽天戦は7回0/3、1失点も試合後はノムさんに「球もそれほど速くない。あの程度の投手」と“酷評”された。それでも唐川は大人の対応。この日の試合後も「(野村監督の)評価は変わらないと思う。また“あの程度の投手”と言われますよ」。ただ、不敵に笑う顔には自信が漂っていた。
 初めての2回り目の対戦にも「プロでやっていく以上、対戦は重なるし、それも勉強。負けないようにやるだけです」。夏場に向けて食事量を増やして体重はベスト76キロを少し上回る状態。新人らしからぬ活躍を続ける右腕に、バレンタイン監督も「選手の生まれた日は気にしない。唐川はたまたま若いだけ」と目を細めた。
 歴史に名前を刻んだ5勝目は両リーグ新人単独トップ。2軍調整中や3日の楽天戦後、母・澄枝さんからの激励電話には「オレに言葉はいらない」と唐川は言った。弱さを見せることを最も嫌う19歳は、研究を重ねるライバル球団にも、自分にも負けない。

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2008年7月12日のニュース