“火遊び”二岡に厳罰 一軍昇格見送り

[ 2008年7月11日 06:00 ]

<イースタン 巨人・西武>5回2死、西武・高山の三塁へのゴロを後逸する二岡

 フリーアナウンサーの山本モナ(32)との不倫疑惑を報じられた巨人・二岡智宏内野手(32)に対し、巨人の滝鼻卓雄オーナー(68)が厳罰を下した。10日、都内のホテルで行われた読売新聞社の会合に出席後、11日横浜戦(東京ドーム)から予定されていた1軍昇格を見送るよう指示したことを明らかにした。二岡はこの日、川崎市のジャイアンツ球場での2軍戦に出場。試合後、テレビカメラの前でファンに謝罪した。

 不倫発覚から一夜明けても球団トップの怒りは収まらなかった。10日に球団が下した厳重注意処分。しかし、巨人の選手にあるまじき行為に滝鼻オーナーは1軍の“土”を踏ませなかった。
 「巨人はただ単に技術的に良いから上に上げるのではなく、やっぱり巨人らしい選手を1軍で活躍させるところでないと。僕としては“ちょっと待て”と(球団代表の)清武くんに言ってある」
 球団創設者の故正力松太郎氏の遺訓「巨人軍は紳士たれ」――。しかも二岡は昨年6月に長男が誕生した妻子ある身だ。普段は温厚なオーナーがここまで怒りをあらわにしたことが事態の大きさを物語っていた。
 球団は当初、11日の横浜戦から1軍に合流させる方針だった。しかし、オーナー自ら1軍昇格を見送る決定を下した。復帰時期については「あしたは出ないでしょう」とし、さらに横浜3戦目(13日)が日曜日のデーゲームであることに言及し「家族連れが多いし、子供とか来るでしょう、常識で考えたら。他球団のことは分からないけど、巨人の思想としては合わない」と、倫理上の問題で週末まではプレーさせない考えを示した。
 この日の読売新聞社の会合でも、球団トップとして「けしからん!我慢できない事態。チームを代表して心よりおわびします」と異例の陳謝。さらに報道陣の前では「選手会長だからね。まだ公式戦には1試合しか出てないだろう。で、故障でしょ。それから高額所得者(年俸推定2億円)だしな。非常に良くないね」と険しい表情を浮かべた。
 主力選手の不倫騒動に対する世間の反響は予想以上に大きかった。オーナーは清武代表を通じて、二岡に謝罪するように命令。これを受け、二岡はイースタン戦後にテレビカメラの前に立った。「このたびは自分の立場を考えず、軽率な行動を取ってしまい、山本さん並びに関係者の皆さんにご迷惑をかけたことを反省しています。ファンの皆さんの期待を裏切ってしまうような行動を取ってしまい、すみませんでした。これからは練習だけに専念して頑張ります」と神妙な顔つきで謝罪の言葉を並べた。
 二岡は15日の中日戦(旭川)から戦列に戻る可能性が高いが、名誉を回復するのは並大抵のことではない。1軍でプレーしてこそプロ。チームに迷惑をかけた罪はグラウンドで、そしてバットで返すしかない。

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2008年7月11日のニュース