岩村「幸せ」レッドソックス討ち

[ 2008年7月3日 06:00 ]

レッドソックスを下しバートレット(左)と飛び上がりハイタッチをする岩村

 3試合出場停止処分が解けたレイズの岩村明憲内野手(29)が1日(日本時間2日)、セントピーターズバーグ(米フロリダ州)でのレッドソックス戦で定位置の1番・二塁で先発復帰。3打数1安打1四球と存在感を示し、試合に出られなかった悔しさを晴らした。チームは首位攻防戦に連勝し、2位レッドソックスとのゲーム差を今季最大の2・5に広げた。2日は同一カード3連勝を懸け、松坂大輔投手(27)と対戦する。

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 ラップが大音量で流れ、歓喜に沸くクラブハウス。久しぶりに勝利を味わった岩村は笑顔が絶えなかった。「勝てて一番ほっとしたのは自分。僕が入って流れを止めたくなかった」。これほど試合に出る喜びを感じたことはあっただろうか。
 スランプでも故障でもない。6月5日の同カードでの乱闘劇に加わったとして3試合の出場停止処分を受けた。練習への参加は許されたが、試合中のベンチ入りは禁止。「1日が長いよ。疲れてないから夜も寝付けないし…」。歯がゆい日々が続いた。そんな中で迎えた4試合ぶりの出場。通算19勝3敗とレイズを得意としているナックルボーラーのウェークフィールドから3回に右前打を放つと、7回は四球で出塁。久々の感触に「野球をやれて幸せ」と感謝の言葉を繰り返した。
 岩村の復帰を祝うかのようにチームはレッドソックスに連勝。球団創設10年間で9度最下位だった弱小軍団の大変身に、地元も“その気”になってきた。タンパのテレビ局が中継した前日の試合は、レイズの試合としては史上最高の視聴率12・8%を記録。昨季まで閑古鳥が鳴いていた本拠トロピカーナ・フィールドはこの日も3万1112人の観衆で埋まった。ドーム球場での大声援は大きな後押しとなる。事実、これで観衆が3万人以上を超えたホーム試合は11連勝となった。
 第3戦は松坂と対戦する。メジャーでは15打数6安打、打率・400と打ち込んでいる岩村は短い言葉に力を込めた。「またあした頑張ります」。乱闘事件で5人が出場停止処分を受けたレイズだが、処分期間が最後だった背番号1が復帰し、一気に首位固めを狙う。

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2008年7月3日のニュース