殊勲の古城「上原のいい顔見たいしね」

[ 2008年7月3日 06:00 ]

8回、巨人2死一塁、決勝2ランを放った古城とグータッチする上原

 【巨人7―5ヤクルト】巨人の上原浩治投手(33)が2日のヤクルト戦で苦投の末、今季初勝利を挙げた。同点の7回に2番手で登板したが、宮本に中前適時打を浴びると、8回にも飯原に左前適時打を喫するなど2回6安打3失点(自責1)で交代。打線が古城の3号2ランなどで逆転し、辛うじて1勝目を挙げたものの、北京五輪でのストッパーはもちろん、今後の登板に不安を残した。

 汗びっしょりとなった上原が、ベンチに腰を下ろした。同点の7回、2安打1四球で勝ち越しを許すと首をひねった。再び同点とした8回にもマウンドへ。だが4安打を集中され2失点。グラブを叩きつけようとするほどいらだった。2度も勝ち越しを許す投球の末、今季初勝利が転がり込んできても納得できるはずはなかった。
 「苦しいね。ここでもがいて何とかしないと。まあ頑張ります」。力なく話すと帰路に就いた。
 原監督は「久しぶりの東京ドーム。観衆の中、多少の緊張感があったでしょう。次のウエ(上原)に期待しましょう」とかばった。2イニング目を任せたのは自信を取り戻してもらいたい思いがあったはずだが、次回登板にも響きそうな内容だった。
 直球の球速は140キロ台中盤を計測した。だが、そのすべてが高かった。気持ちよく投げられる高めは球速が出やすいが、打者からすればとらえやすい棒球になった。フォークの精度、変化も開幕当初のものではない。尾花投手総合コーチは「クイックとかセットがちょっとなあ。投げながら仕上げてもらうしかない」。復帰初登板となった先月29日の広島戦(広島)は5点リードで1回を完全に抑えた。ところがこの日は同点での登板。8月の北京五輪ではさらに厳しい終盤のリリーフを任される予定だけに、不安の残る結果となった。
 それでも上原の乱調を野手全員でカバー。2点を追う8回、高橋由のタイムリー、木村拓の犠飛で追いついた。続く古城が今季3号となる決勝2ラン。「興奮してました。とにかく上から叩こうと思っていた。(上原が)いい顔しているところを見たいし、元気な顔で一緒に野球やりたいんでね」と同学年の上原を救った一打を振り返った。
 敗れれば6月16日以来の借金生活だったが何とか貯金を1とした。守備面での2失策に捕逸、バント失敗など随所にミスが出た。原監督は「走攻守でミスが出た。反省点が多い試合」と言えば、伊原ヘッドコーチも「(ミスの)オンパレードだから、そういうところを直します」と指揮官同様に反省を促した。
 勝つには勝ったが、首位・阪神とは11ゲーム差。上位追撃には細かなミスをなくすことが重要となる。そして何より、上原の復調がカギを握っている。

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2008年7月3日のニュース