松井秀 左ひざ痛長引けば今季中に手術も

[ 2008年6月30日 06:00 ]

治療のためヤンキースタジアムを訪れた松井秀

 【ヤンキース3―2メッツ】ヤンキース首脳陣が28日(日本時間29日)、故障者リスト(DL)入りした松井秀喜外野手(34)の左ひざ痛が長引いた場合、今季中にも手術を行う可能性を示唆した。今季中の手術となれば残りシーズンは全休の可能性があるだけに、あくまで最後の手段として回避させたい意向。ゴジラの順調な回復を誰もが待っている。

 キャッシュマンGMは「現状でも75%の力で走っている。それを落ち着かせ、100%に戻すためにDLに入れた」と、まず経過を見守りたいと説明。その上で今季中の手術の可能性を問われると「最後の手段になる。でも、われわれはその可能性を否定しない」と語った。あくまで左ひざ痛が長引いた場合の処置で、避けたいシナリオには違いない。ジラルディ監督も「手術はもちろん避けたい。前日にはひざの水を再び抜いたし、できれば15日間で戻ってきてほしい」と7・8レイズ戦での最短復帰を願った。
 ヤ軍首脳陣が最後の選択肢としてシーズン中の手術を視野に入れた背景には昨季終盤の失速がある。右ひざ痛を抱え出場を続けたが、9月は月間打率・185と落ち込みプレーオフも同・182に終わった。結果的にオフを待って手術。来年も契約を残す松井に最大のパフォーマンスを発揮してもらうことを第一に、残りシーズンの大半を棒に振ることさえ避けられない一手も用意しながら回復を待つことになる。
 松井はこの日、ヤンキースタジアムでアイシング治療を施し、運動は一切行わなかった。「打つことに関してはきのうも試したけど、全然平気だった。とにかくいい状態にして戻る。それだけ」と話した。前日には「今はひざの状態を1回鎮めてそれから。オフにはどういう判断になるかは分からないけど」とシーズン後の手術の可能性を口にしたが、今季中については言及しなかった。29日は完全休養となるが、30日以降はチームと行動をともにしながら治療と練習を続けていく予定だ。
 特効薬はない。「完全に治ることはないと思いますから」と言い切る、10年以上悩まされ続けてきた古傷。驚異的な回復力を信じ、今は耐え忍ぶしかない。

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2008年6月30日のニュース