リオス 薬物違反で1年間出場停止、解雇へ

[ 2008年6月29日 06:00 ]

同席した入江(左)、多田の両弁護士とともに会見するヤクルト・リオス(中央)

 日本プロ野球組織(NPB)は28日、ヤクルトのダニエル・リオス投手(35)にドーピング違反で1年間の出場停止処分を科した。5月21日の西武戦(西武ドーム)後にドーピング検査で筋肉増強剤の一種、ハイドロキシスタノゾロールが検出されたもので、ヤクルト球団は同日、統一契約書第26条に従い、同選手の契約解除を決めた。

 リオスは球団、NPBの事情聴取に対し「昨年11月上旬から12月中旬までマイアミ(米フロリダ州)の医師に注射による治療を受けた」と話したが、長谷川一雄コミッショナー事務局長は「昨年12月で治療をやめているのであれば、半年たったこの時期に出るのは医学の世界では考えられない」と一蹴した。
 この日午前中に行われたNPBアンチ・ドーピング特別委員会では全員一致で1年間の出場停止処分を決定。同事務局長は「筋肉増強剤は罪が重い物質であり、一番使ってはいけない物質」と語った。昨年から罰則規定が設けられたアンチ・ドーピング規則違反は同8月のリック・ガトームソン投手(ソフトバンク)、今年5月のルイス・ゴンザレス内野手(当時巨人)に続いて3例目で、いずれも外国人選手。
 リオスは韓国球界から今季、ヤクルトに移籍。11試合に登板して2勝7敗、防御率5・46で、不振を理由に今月2日に出場選手登録を外れていた。ヤクルトは球団事務所で会見を行い、鈴木正球団社長は「3年前からドーピング防止の研修、啓発を積極的にしてきたが、このような事態を招いたことは大変遺憾」と沈痛な面持ち。その上で「全選手に対して注意喚起を行い、再発防止に取り組む」とし、球団の役員、幹部、担当者に厳重注意したことを明かした。

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2008年6月29日のニュース