前田健“弱い巨人”をチョチョイのチョイ

[ 2008年6月27日 18:41 ]

巨人をひねりつぶした広島・前田健

 【広6―1巨】広島は2回、シーボルの適時打で先制。3回には栗原が8号3ランを放ち、5回と8回にも加点した。先発の前田健は丁寧な投球で7回1失点の好投。巨人はグライシンガーが誤算で、打線もつながらなかった。

 ≪一生懸命、信頼勝ち取る≫広島の細身の20歳右腕が、巨人打線をきりきり舞いさせた。18日の日本ハム戦でプロ初勝利を挙げた前田健がまたも快投し、2勝目。リーグ戦再開の大事な初戦、その先発マウンドに抜てきされ「絶対に勝つ、という気持ちで上がった。信頼を勝ち取りたかった」。興奮気味にまくしたてた。
 しなるような腕の振りから、真っすぐは力強く伸び、カーブは大きく縦に割れる。「長打は嫌なので低めを意識した」。緩急を自在に操りながら7回をわずか3安打、1失点。石原捕手は「堂々としている。一生懸命投げようという気持ちが伝わってくる」と、その投げっぷりを褒めた。
 昨年、高校生ドラフト1巡目で大阪・PL学園高から入団。高校の関係者が「身体能力は松井稼頭央や桑田クラス」と絶賛した逸材だ。それに利口だ。「前は石原さんのリードに頼りっ切りだったけど、どんなサインが出るか、配球も勉強するようになった。しっかり考えて投げている」と前田健。気付いたことをこまめにノートに記し、研究を重ねてきた。
 ブラウン監督は「リーグ戦の初戦だったけど、彼ならやってくれると思ったんだ」。先発陣が手薄な広島。背番号18の成長が大きな鍵を握りそうだ。

 ≪栗原ドカ~ンと3ラン≫広島の栗原が1―0の3回に8号3ランを左中間席へ叩き込んだ。1死一、三塁でカウント2―2から、グライシンガーの真ん中に入ってきた変化球をとらえ「力まずコンパクトにバットを振ることだけを考えていた」と振り返った。
 打撃に関しては、とにかく繊細だ。今季はフリー打撃の際に、打撃投手にフォームをチェックしてもらい、練習後にこまめに助言をもらっている。微調整を欠かさないことが、安定した活躍につながっているようだ。

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2008年6月27日のニュース