異例の認定 野球部長教諭は“過労死”

[ 2008年6月20日 13:57 ]

 長崎市内の県立高校で野球部長を務めていた男性教諭=当時(52)=が校内で倒れ急死したのは、部活指導を含む長時間労働による過労が原因だとして、地方公務員災害補償基金長崎県支部審査会が公務災害を認定する異例の裁決をしていたことが20日、分かった。

 県支部は認定申請を却下していたが、不服請求を受けた県支部審査会は昨年10月、「土日や祝日も部活のための時間外労働が多く過重性が認められる」とした上で、授業と部活指導を合わせた長時間労働と死因との間に「相当な因果関係」を認定。県支部の決定を覆した。
 県支部によると、教諭は1974年に体育担当教員として採用され、各赴任先で野球部を指導。野球部長に就任した高校で2004年7月、授業後に意識を失い、急性心筋梗塞で翌日死亡した。
 遺族は同8月、県支部に公務災害認定を申請。県支部は、基準を超える週平均約30時間の時間外労働を認めたが「十分な休養をとる時間もあり、強い負担はなかった」と退けた。遺族が06年1月、県支部審査会に不服請求していた。

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2008年6月20日のニュース