まだ投げたい“ミスター・ゼロ”3カ国目の挑戦

[ 2008年6月20日 07:05 ]

韓国プロ野球のウリに入団した元ヤクルトの高津臣吾投手)

 元ヤクルトの高津臣吾投手が韓国プロ野球のウリに入団し、自身3カ国目のマウンドに上がる。

 これまで残した実績は輝かしい。1991年に亜大からヤクルトに入団。サイドスローから投じるシンカーを武器に守護神として、最優秀救援のタイトルを4度獲得。2004年には米大リーグ、ホワイトソックスに移籍。1年目に19セーブと活躍し「ミスター・ゼロ」の異名もつけられた。06年にヤクルトに復帰。日米通算で313セーブを挙げた。
 しかし不振だった昨季終了後、39歳のベテランは「若返り」を目指す球団から戦力外通告を受けた。本人は現役続行を希望し、地元出身という理由などで広島が関心を示したこともあったが不調に終わった。今年は3年ぶりのメジャー復帰を目指し、カブスのキャンプに招待選手として参加したが、オープン戦期間中に解雇され、再び投げる場所を失った。
 所属球団がない。「野球が好きだ」という男には堪え難い時期だった。テレビや新聞で野球を見るのが寂しかったという。それでも再びユニホームを着ることを信じ、黙々と練習を続けてきた。
 日米と比較し、韓国プロ野球の環境は決してよくはない。新天地での生活に不安もある。それでも「いつまでも投げ続けたい。投げることが幸せ」という強い気持ちが背中を後押しした。海を挟んだ隣国のマウンドで躍動する高津をファンは期待している。

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2008年6月20日のニュース