ダル 投げてダメなら打って勝つ!

[ 2008年6月18日 06:00 ]

<広・日>2回、ダルビッシュは右中間にタイムリー二塁打を放ちセーフのジェスチャー

 【日本ハム8-7広島】打って、走って、投げて、勝った!日本ハム・ダルビッシュ有投手(21)が17日、広島戦の2回にプロ初打点となる適時二塁打を放ち、勝利に貢献した。“本業”でも赤松にプロ初の初回先頭打者アーチを浴びるなど、苦しみながら7回を3失点と粘り、5月28日ヤクルト戦以来の7勝目。エースの投打にわたる奮闘でチームは2年連続の交流戦勝ち越しを決め、連覇を狙う優勝争いにも踏みとどまった。

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 長い腕を伸ばして外角低めの直球をとらえた。右中間に弾む打球を確認したダルビッシュは迷いなく一塁を蹴った。二塁へ果敢に滑り込みセーフのポーズ。「シンに当たりました。スライディングも初めてだった」。ベンチから送られた拍手に笑顔で応えた。

 1点差の2回2死二塁。ダルビッシュの読みが相手バッテリーを上回った。「追い込まれて変化球が来るのは分かっていたから、直球を投げさせるカウントをつくりたかった」。2―0から4球粘り、2―2から144キロの直球を叩いた。06年5月18日の阪神戦(甲子園)以来2年ぶり2本目となる安打は試合を振りだしに戻す同点二塁打。プロ初打点&初長打は投手ならではの読みから生まれた。

 広島には4日の札幌ドームで本拠地1年ぶりの黒星を喫した。スタンドではサエコ夫人(21)が3月に生まれた長男を抱いて声援を送っていたが、白星をプレゼントすることができなかった。15日の練習後にはチームを離れ家族のいる東京へ移動。勝利を約束してから広島へ乗り込んだ。

 初登板となった広島市民球場の低いマウンドに苦しみ、赤松には中学生以来という先頭打者弾を浴びた。その後も苦しい投球が続き、6回終了後には交代の打診も受けたが、きっぱりと断り、7回3失点と責任を果たした。苦労して手に入れた7勝目に「勝ってない時も奥さんにいろいろ言ってもらって気持ちが切れなかった。家族に感謝です」。試合後はすぐに愛妻に勝利の報告を行った。

 最後は1点差の逃げ切りとなったが、交流戦の勝ち星は13で首位のソフトバンクに並んだ。梨田監督も「甲子園の2戦目で使おうかな」と連覇が懸かった場合は、22日の最終戦(対阪神)でエースの中継ぎ起用をほのめかした。「チームのために」が信条の絶対エースが、もう一度交流戦のマウンドに立つかもしれない。

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2008年6月18日のニュース