たった1失点 誰もダルを責めたりしない

[ 2008年6月12日 06:00 ]

 【日本ハム0―1巨人】打球が消えた右翼席を見つめた日本ハム・ダルビッシュは首をひねりながら苦笑いするしかなかった。

 「悪い球じゃなかった。あの球をあそこまで飛ばされたんだから(相手が)素晴らしいとしか言いようがない」
 6回2死から外角低めの149キロを痛打された。梨田監督も「あれはラミレスの勝ち。ダルビッシュを責めることはできない」とかばった。
 打線の無援で4日の広島戦(札幌ドーム)に続く完投負け。2試合連続敗戦投手は06年4月以来2年ぶりで「負けの完投ほどしようもないものはない」と悔しがった。ただ、一方で150キロの直球が戻り、攻めの投球ができたことは収穫だった。0―1の7回1死二、三塁ではスクイズを読み切り「あるかなと思っていた。投球動作の中で外すことができた。いい経験になった」と話した。
 スタンドでは日本代表・星野監督が投球を見守っていた。前日10日、東京から札幌へ移動する飛行機で偶然、一緒になったダルビッシュは新千歳空港でトイレから出てくる星野監督を“待ち伏せ”。「(代表で)待ってるぞ」との言葉に「ハイ」と力強く答えた。御前試合で勝つことはできなかったが、安定した投球を取り戻した日の丸エースは「痛い目に遭ってどんどん成長する。いい打者が自分を成長させてくれる」と前を向いた。

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2008年6月12日のニュース