ダルも撃った!巨人の勝利にラミレスあり

[ 2008年6月12日 06:00 ]

<日・巨>6回2死、右越えソロを放ちガッツポーズのラミレス。結局この1点で勝負は決まった

 【巨人1―0日本ハム】ジャパンのエースに“一本勝ち”だ。巨人は11日、北京五輪で日本代表のエース格となる日本ハム・ダルビッシュ有投手(21)から、アレックス・ラミレス外野手(33)が18号ソロ。結果的に決勝点となった虎の子の1点を、先発の野間口から山口―藤田―クルーンとつないで今季4度目の完封リレー。難攻不落のダルビッシュを倒したチームは勝率を再び5割とした。

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 札幌ドームにベネズエラ人の陽気なダミ声がこだました。「ガゼィ(風)、ガゼィ、ガゼィィ!」。日本最高の右腕・ダルビッシュから値千金の一撃を見舞ったラミレスは、ドームに吹くはずのない“追い風”を強調しながら原監督とベンチ前でハイタッチ。5月25日以来、12試合ぶりとなる一発がチームを今季3度目の5割復帰に導いた。
 この主砲にもはや死角はない。非凡な対応能力を見せつけた。4回の2打席目は内角ツーシームでバットを折られて投飛。決勝弾を放った6回2死の打席では「外より内角を意識していた」。カウント1―1から決して甘くはない149キロの外角直球。強じんな回転運動で白球を右翼席まで運び「ダルビッシュは今季一番の投球だったと思う。だから自分のスイングをしようと心掛けたよ」と笑顔がはじけた。
 ダルビッシュからの一発はヤクルト時代の昨年6月9日の日本ハム戦(松山)以来2度目。試合前はDVDでその打席を中心に過去の対戦の配球を“復習”した。6日のロッテ戦(東京ドーム)で連続試合安打が27で止まったが、そこから4試合連続安打。5試合連続で打点を稼いでいるのも、研究熱心な姿勢があるからだ。
 チームは3回無死一、二塁で坂本がバント失敗。7回は1死二、三塁でスクイズに失敗するなど得点機を逃した。反省点も残ったが、原監督は決勝弾を放った4番について「体全体で振り抜いてる。素晴らしい打者です」と絶賛。最後は「相手がダルビッシュだったし、勝てるならこのスコアしかなかった」。昨年6月11日、同じ日本ハム相手に1―0で勝利。1年後の快勝を満足げに振り返った。
 18日のオリックス戦(東京ドーム)は「ラミレスデー」として試合前にトークショーなどを行う。巨人移籍の重圧をはねのけての大活躍に、当日は“サプライズゲスト”としてベネズエラのイシカワ・セイコウ駐日大使が球場を訪れる。巨人の大砲はファンだけでなく、母国・ベネズエラでも英雄的な存在だ。
 首位・阪神とは11ゲーム差だがラミレスは「シーズンはどうスタートしたかでなく、どう終わるかだよ」。あの“メーク・ドラマ”をスタートさせた地、札幌で強敵右腕に黒星をつけた一発。それはドラマ再現を目指す4番の号砲だった。

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2008年6月12日のニュース