風の俊介 プロ8年目の「1―0」勝利

[ 2008年6月12日 06:00 ]

 【ロッテ1―0広島】今季初完封。しかもプロ8年目で初めて1―0で勝った。お立ち台。渡辺俊は天に感謝した。

 「久しぶりに大好きな風が吹いて気持ちよく投げられた。0―1での負け(4回)が多いんで良かった」。登板日に悪天候が多く、自他ともに認める雨男。この日も早朝に天気予報をチェックし「曇り予報」に顔をしかめた。だが、予報は外れて快晴に恵まれ“風の魔術師”がよみがえった。中堅から本塁方向に吹く千葉マリン独特の海風。その風はバックネットではね返り、投手にとって向かい風となるが、下手投げには絶好の“追い風”だ。風速4メートルで「一番好きな強さと角度だった」という。地上5センチから投げ込む直球は浮き上がり、カーブは急ブレーキ、シンカーは沈んだ。
 わずか3安打。交流戦で今季初対戦の広島を手玉に取るのは簡単だった。恋女房の里崎もうなった。「年に1回あるか、ないか。きょうの投球をすれば15勝できる」。サブマリン復活の5勝目。今季は内容的に芳しくなかったが、防御率も4・32に下げてリーグ最下位(規定投球回到達者)から脱出した。
 北京五輪も近づき、20日には候補選手が35人程度に絞り込まれる。昨年の予選では大会直前で日本代表最終メンバーから外れる悔しい経験をした。渡辺俊は「まずは(最下位の)チームのことが大事。五輪は意識してない」と話したが、この完封劇は絶好の追い風となったに違いない。

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2008年6月12日のニュース