薮田メジャー初勝利 またピンチ断った

[ 2008年6月11日 06:00 ]

<ヤンキース・ロイヤルズ>8回裏2死一・二塁のピンチに登板。ボビー・アブレイユを一塁ゴロに打ち取り、メジャー初勝利を挙げた薮田

 【ロイヤルズ3―2ヤンキース】ロイヤルズの薮田安彦投手(34)が9日(日本時間10日)のヤンキース戦で念願のメジャー初勝利を飾った。同点の8回2死一、二塁で登板し、打者1人を打ち取ると、9回に味方が勝ち越し。逆転サヨナラ負けを喫した2日前と全く同じ展開となったが、今度は守護神ソリアーが逃げ切り、薮田に白星が転がり込んだ。4月の不振から立ち直った男はロッテ時代の輝きを取り戻しつつある。

 野球の神様はシナリオを書き直した。2日前と同じ状況で、チームの危機を救った薮田に今度は勝ち星がついた。「前回のことは全く考えなかった。ただチームが勝つように応援していました」。9回に先頭ギーエンの左中間ソロで勝ち越し、最後は守護神ソリアーが2死満塁のピンチを何とかしのぎ、アイシングを受けていた薮田に歓喜の瞬間が訪れた。
 同点の8回2死一、二塁。試合を左右する大事な局面でヒルマン監督は薮田をコールした。打席のアブレイユは4月9日の対戦で二ゴロに抑えた相手。いきなりボールが2つ先行したが慌てなかった。「厳しいところから入った。簡単に(真ん中に)入って打たれるのは、やってはいけないこと」。開幕当初、不利なカウントから直球を投げ痛打されていた反省を生かし、緩い変化球を主体にコーナーを突き、最後はフルカウントから高めのチェンジアップで一ゴロに仕留めた。「厳しい状況で逃げると思うとすぐにやられる。強気で、自信を持って投げた」。マウンドで自らを鼓舞する言葉をつぶやき、気持ちを奮い立たせた。
 4月は防御率8点台と苦しみ、5月は3点差以内の登板は1度もなかった。地元紙にはマイナー降格危機の報道も出た。だが心は折れなかった。どん底からはい上がり、ここ3試合はいずれも同点の場面での登板。4月に「私が日本時代に知っている薮田ではない」と突き放したヒルマン監督は「パワフルな相手に向かっていった。どんどん良くなっている」。信頼感は中継ぎNo・1だ。
 ウイニングボールは手元に届かなかったが「別にそういうのはね。このまま続けて勝利に貢献したい」。メジャー21戦目の登板。薮田が本当の意味でロイヤルズの一員になった。

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