グリン惜しい 無安打無得点まであと4人

[ 2008年6月4日 06:00 ]

<日本ハム・広島>完投勝利のグリン(左)は愛息・カイル君とマスコットのBBと笑顔のお立ち台

 【日本ハム4―2広島】その瞬間、マウンド上の日本ハム・グリンは苦笑いを浮かべた。8回2死から代打・森笠に投じた106球目。やや高めから落ちてきたフォークは左中間を破る二塁打に。野球人生初のノーヒットノーランはあとアウト4つを残し夢と消えた。

 「6回が終わって意識した。あと9人頑張ろうと思って投げていたが、いいところに打たれた。最後はちょっと疲れた」。9回には2本塁打を浴び、来日初完封も消えたが、3安打2失点で楽天時代の06年9月6日のオリックス戦以来、2年ぶりの完投勝利。昨年の交流戦でも何度も見られた長男カイル君(9)との“2ショットお立ち台”に「グラウンドでハイタッチできたのがうれしかった」と笑顔を見せれば、愛息も「グッド」とパパの快投を喜んだ。
 試合前、三塁側ベンチには清めの塩が盛られた。森本、高橋らが骨折で離脱するなど故障者が続出しているチーム状況を危ぐしてのものだった。1日の阪神戦で左手小指を骨折した高橋はグリンの女房役。この日の快投は“しっかり治して早く戻ってこい”とのメッセージにもなった。
 ダルビッシュ以外の完投勝利は今季チーム初。梨田監督は「武田久、宮西らにも疲れがある。ブルペン陣を休ませることができたのは大きい」と1勝以上の価値を口にした。「アグレッシブにいけたのがよかった。これからもチームのことを考えてやっていくだけさ」。昨年の交流戦MVP右腕は力強く言い切り、愛する家族とともに帰路についた。

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2008年6月4日のニュース