相手に重圧、味方にカツ!日ハムの“ヤジ将軍”

[ 2008年6月4日 07:12 ]

チームの勝利に声で貢献する日本ハム稲田

 日本ハムのベンチから、ひときわ威勢のいい声が発せられる。声の主は稲田直人内野手。5年目の28歳は盛り上げ役として欠かせない存在だ。

 しぶとい打撃と、内野をすべて守れる器用さでチームを支える。さらに、忘れてはならない大きな武器が「声」だ。「すべてはチームが勝つため。試合に出たいとは思っているけど、自分ができることをやる」。相手に重圧をかけるだけでなく、味方に活を入れることもある。
 チームメートも声の重要性を認めている。稲葉は「12球団で(やじは)うちが一番。稲田が味方でよかった」と笑う。4月に稲田が左手親指を骨折した際には、守備力と声を考慮して1軍に残す意見まで出たらしい。
 稲田の1軍再登録時に「のどの状態を確かめたよ」と冗談を飛ばした梨田監督は「よく声が通るし、いるだけでベンチが明るくなる」と、声を貴重な戦力と見なしている。昨オフの契約更改交渉では、チームを鼓舞する姿勢を評価された。
 常にレギュラークラスだった少年時代、補欠の仲間が必死にチームを支えようと奮闘する姿を見て、自分もそうありたいと思ってきた。プロ入り後、ベンチを温める機会は多くなったが、勝利への貢献を第一に考えると、自然に声が出た。
 もちろん、先発出場できない悔しさはあるが、「すべてはチームが勝ってこそ。ただ、やじっているだけじゃないか、と言われるかもしれないが、勝つためにできることがある。それが自分のスタイル」ときっぱり。日本ハムは、稲田が1軍に初昇格した一昨年からリーグ2連覇中。偶然の一致とは思えない。

 ◆稲田 直人(いなだ・なおと)広島・広陵高、駒大、JFE西日本を経て04年にドラフト5巡目で入団。堅実な内野守備とシュアな打撃で06年から1軍に定着し、リーグ2連覇に貢献。176センチ、76キロ。右投げ左打ち。28歳。広島県出身。

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2008年6月4日のニュース