薬物違反で巨人・ゴンザレス契約解除へ

[ 2008年5月27日 06:00 ]

 日本プロ野球組織(NPB)の根来泰周コミッショナー代行(75)は26日、巨人のルイス・ゴンザレス内野手(28)から禁止薬物が検出されたため、1年間の出場停止処分を科したと発表した。同違反による処分は昨年8月のソフトバンクのリック・ガトームソン投手以来2人目。巨人は同日夜に緊急会見し、同選手に契約解除を伝えたことを明かした。日本のプロ野球界でドーピング違反による解雇は史上初。ゴンザレスは27日未明に会見し、異議申し立てを検討していると語った。

 午後8時30分。チームが東京ドームで日本ハムと戦っている真っ最中に球団事務所の会見場は重苦しい雰囲気に包まれていた。清武球団代表は「NPBから“ゴンザレス選手を1年間の出場停止処分にする”との報告があり、本人に伝えました。ファンの皆様に深くおわび申し上げます」と陳謝した。
 アンチ・ドーピング委員会の検査は4月30日の広島戦(東京ドーム)後に実施。くじ引きによりゴンザレスを含む4選手が対象となった。そして今月21日、ゴンザレスの検体から興奮薬で禁止薬物に指定されているクロベンゾレックス、アンフェタミン、パラヒドロキシアンフェタミンが検出されたとの報告がNPBから同代表に入った。
 これを受け清武代表は、この日までに本人に3度、通訳ら周囲の人物にも事情聴取を実施した。検査以前の食事などが記された行動表まで作らせたがゴンザレスは一貫して「意図して摂取したことはない」と故意の使用を否定していた。
 しかし、巨人は事態を重く受け止め、厳しい処分を下すことを決めた。NPBの発表後、清武代表は「契約違反に該当すると判断した」と即刻解雇する旨をゴンザレスに通達。NPBから球団に対する処分はないが、球団として清武代表、島崎雅夫国際部長のけん責処分も発表した。日本ハム戦後、原監督は「非常に残念。処分が下った以上は真しに受け止め、残された選手で戦っていく」と複雑な表情で語った。
 来日2年目のゴンザレスは開幕は2軍で迎えたが4月15日に1軍昇格。NPBから最初の報告があった2日後の今月23日に出場選手登録を抹消されるまで打率・307、2本塁打、17打点の好成績だった。2軍落ちした際に球団広報が発表した理由は「15日の横浜戦(横浜)で死球を受けた左脇腹の打撲」。これについて清武代表は「その時点では“灰色”だったので」と説明した。
 球団は試合後に緊急ミーティングを行い、27日以降は1、2軍の全選手との個人面談で再発防止に努める方針。日本ハム戦に勝利したが、同僚の薬物違反に、選手たちの表情は一様に暗かった。これまでドーピング行為の防止のためにチームを厳しく律してきた清武代表は「われわれは少しでも疑義を持たれたら終わり。再発防止をさらに進めたい」と無念さをにじませた。新たな外国人の補強は行わず、現有戦力で戦う方針だ。球界の盟主としての地位が揺らぎかねない“汚点”。上昇気配のチームへの影響が懸念される。

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