松井秀 イチロー出し抜く好走塁

[ 2008年5月27日 06:00 ]

<ヤンキース・マリナーズ>8回1死、一、三塁、ロビンソン・カノの左犠飛で三走・アレックス・ロドリゲスが生還するのと同時に一走・松井秀喜も二塁へタッチアップで進塁

 【ヤンキース6―5マリナーズ】ヤンキースの松井秀喜外野手(33)が“足”で魅せた。25日(日本時間26日)、本拠地マリナーズ戦で先発を外れた松井は8回、代打で内野安打。カノの中犠飛でイチローの“スキ”を突いて二塁へタッチアップ。続くモリーナの決勝二塁打を呼び込むなど、走塁で存在感を示した。会心の逆転勝利でヤ軍は今季マ軍に6戦全勝。今季初の5連勝で勝率5割に復帰、10日ぶりに地区最下位からも脱出した。マリナーズは今季初の6連敗。

【ヤンキーススタジャン


 試合後の会見。ジラルディ監督は真っ先に松井の走塁を称えた。「松井秀喜は野球選手だということ。勝利に一番大きかったプレー。野球選手としての本能だね」。ジーターも「イチローは強肩なのに一切ためらわなかった。松井は野球をよく知っているよ」と続けた。逆転勝利をもたらした“珠玉”のワンプレーを指揮官、主将が絶賛した。
 休養日で先発を外れた松井の出番は8回。1点を返してなおも1死一、二塁。代打で初球を引っかけたが、ボテボテのゴロに激走。飛びついて打球を処理した守護神プッツが焦って一塁へ悪送球(記録は内野安打)。1点差に詰め寄った。
 そして見せ場だ。一、三塁でカノが中堅深くへ同点犠飛。ここで一塁走者の松井が迷わずタッチアップした。「イチローさんだから絶対に捕ると思った。そうじゃなかったら、ハーフウエーに出ていたかも」の好判断。無警戒だったイチローが山なりに返球する間に二塁を陥れた。勝ち越しの走者が二塁に進んだことでマ軍外野陣は前進守備を余儀なくされ、続くモリーナの右中間への飛球が外野の頭を越えた。決勝のホームを踏んだ松井は「チームを勢いに乗せた?打球の勢いはなかったけどね」と笑わせた。
 今季初の5連勝で10日ぶりに地区最下位から脱出。連勝中の松井は走りに走ってチーム最多の10得点だ。「松井は右ひざを手術したし、平均より少し遅い方と考えている。でも、リード、スタートが素晴らしい。ああいう走塁は三塁コーチの仕事を楽にしてくれるよ」とミーチャム三塁コーチ。
 チームは勝率も5月11日以来の5割復帰。打つだけではない。松井の“全力プレー”がチームを上昇気流に乗せていく。

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2008年5月27日のニュース