ハム完封リレーで守った「稲葉の一発」

[ 2008年5月23日 18:39 ]

 【日本ハム1―0中日】日本ハムが4連勝。3回に先発の多田野が危険球で退場となったが、2番手の坂元が6回まで無失点。終盤も小刻みな継投で得点を許さず、稲葉の本塁打による1点を守った。中日は相手の好守にも阻まれ、川上を援護できなかった。

 ≪「2度と同じ打ち方はできない」≫4番の一発による虎の子の1点を死守。日本ハムが、昨季の日本シリーズでは1勝4敗で屈した中日に雪辱した。
 2回、梨田監督が「芸術的」と評した稲葉の一振りが唯一の得点をもたらした。川上のひざ元へのカットボール。ボール気味の難しい球に、腕をたたんで体を回転させ、右翼席へ放り込み「2度と同じ打ち方はできない」と自画自賛した。
 昨年の日本シリーズ、稲葉は17打数1安打で敗戦の責任を背負い込んだ。試合前に「去年の悔しさは忘れていない」と語っていた。右臀部の故障を抱えながら指名打者で出場し「4番として何とかしようと思った」と留飲を下げた。
 不測の事態にも救援陣が踏ん張った。3回に先発の多田野が危険球で退場。準備不足の中、1死一塁でマウンドを引き継いだ坂元が窮地を救った。小田の送りバント失敗の併殺で切り抜けると、6回まで無失点。その後の継投も決まった。
 日本一球団相手に会心の勝利。「坂元がよく頑張った。まさか1―0で勝てるとは…」と梨田監督。殊勲打の稲葉は「この勝ち方が自信になればいい」。連勝は4、貯金は今季最多の6になった。

 ≪無援の川上…一発に泣く≫8回を投げ抜いた中日・川上は一発に泣いた。前回登板では5回6失点で降板していた。この日は「何も考えずに昔のフォームに戻そう」と今季初めてワインドアップで投球。直球は最速149キロを記録し、許した安打は3本だけだった。
 だが、2回に内角へのカットボールを稲葉に右翼スタンドへ運ばれ、味方の援護はなかった。「カットボールは腕が振れなかった。稲葉さんにうまく打たれた」。12球団トップとなる交流戦通算12勝目はならず、言葉少なだった。

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2008年5月23日のニュース