松井“これでどうだ!”の連敗ストップ打

[ 2008年5月4日 06:00 ]

<ヤンキース・マリナーズ>連敗を止め、タッチを交わす松井らヤンキースナイン

 【ヤンキース5―1マリナーズ】ヤンキースの松井秀喜外野手(33)は2日(日本時間3日)、ニューヨークのマリナーズ戦で、初回に12試合連続安打となる先制適時打。これが決勝点となり、連敗を3で止めた。試合前、球団トップがチームの不振に不満をぶちまけたが、責任を担う主軸としてバットできっちりと回答。一方、マ軍のイチロー外野手(34)は連日のマルチとなる2安打に3盗塁と孤軍奮闘したが、零敗を阻止するのがやっとだった。

【ヤンキーススタジャン
テッド・ウイリアムズ フィギュア


 球団トップの怒りが届いたのかもしれない。久々に投打がかみ合い、3連敗から脱出。先制適時打を放った松井は「先取点になったし、試合展開の中でいい安打だった」と満足げに振り返った。
 気温9度の寒さをものともしなかった。マ軍の先発は昨季から対ヤ軍戦20イニング連続無失点中の左腕ビダード。初回2死一、二塁でボール気味の高めの直球に詰まったが、バットを折りながら左前へ落とした。「ああいうヒットは好きですよ。シンから離れていたけど、バットの出が悪いとヒットにはならない」と中堅を守るイチローのお株を奪うような“詰まりながら落とす”技ありの適時打。得点圏打率が2割台前半と課題だったチャンスで結果を残し、連続試合安打を12に伸ばした。
 地区4位と低迷するチームには不穏な空気が漂い始めていた。試合前、ハンク・スタインブレナー共同会長(51)がタンパの自宅でAP通信の取材に答え「これまでの戦いには失望している」と不満を爆発。昨季で第一線を退いた父親のジョージ前オーナーを思わせる“初吠え”で「このままではプレーオフに進めるかどうかも分からない」とまくし立てた。
 チームはこれに発奮したのか、王建民(ワン・チェンミン)が6回を1失点で無傷の6連勝を飾り、勝率5割復帰に王手。ロドリゲスやポサダを故障で欠いても、ヤ軍には出場28試合中24試合で安打を放っている松井がいる。常勝軍団の5月反抗はここから始まる。

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2008年5月4日のニュース