藤川打たれた 中日今季初のサヨナラ勝ち

[ 2008年5月4日 19:17 ]

10回、サヨナラ本塁打を放った中日・李炳圭(7)が、待ち受けるナインの前でジャンプしてホームイン

 【中3―2神】中日が今季初のサヨナラ勝ち。0―2の8回にウッズ、和田の連打で二、三塁とし、中村紀の二塁打で同点。延長10回は2死で、李炳圭が藤川からサヨナラ本塁打を左翼へ運んだ。4番手のチェンが2勝目。阪神は久保田が誤算だった。

 ≪李炳圭ドラマチック弾≫ヘルメットを勢いよく放り投げた李炳圭が、本塁で待ち受ける歓喜の輪に飛び込む。首位を走る阪神の「勝利の方程式」を粉砕した痛快な逆転勝ちに、3万8000の大観衆をのみ込んだスタジアムが揺れた。
 まずは2点を追う8回。久保田から連打で二、三塁の好機をつくり、中村紀が外角高めの直球を真っすぐはじき返した。「彼の一番いい球を待っていた。気持ちで打った」という打球は中堅を越す同点二塁打となった。
 試合を決めたのは李炳圭の一振りだった。それまで得点機で凡退を続けていたが、延長10回、藤川に2アウトを取られた後、カウント2―1からやや高めに抜けたフォークボールを左翼席に運ぶ来日初のサヨナラ打。「どう打ったか覚えていない。つなげようと思った結果がホームランになった」と声を上ずらせた。
 落合監督は「久保田、藤川は別にして先発をつぶさないと」と、あえて苦言を呈したが「もがき苦しんで、一つずつ勝ちを拾っていけばそのうちパーッと花が開くだろう」とニヤリ。阪神自慢の救援陣を攻略し、反攻への確かな手応えをつかんだ。

 ≪藤川“初めての光景”≫絶対的な守護神が打たれた。藤川が延長10回のマウンドに上がる。ウッズ、和田は抑えたが、続く李炳圭にやられた。「うまく打たれた感じ」と高めのフォークボールを狙われた。藤川がサヨナラ本塁打を浴びるのは初めての光景だった。
 チームも今季初のサヨナラ負け。その伏線は、久保田が2点差を守り切れなかった8回にある。1死二、三塁から中村紀に2点二塁打。岡田監督も「8回の所だけ」とおかんむりだ。久保田は全体的に球が高く、中村紀に痛打されたのも外角高めのボールだった。
 ウィリアムスが左肩痛で離脱し、苦しい中継ぎ陣。だが、それを先発の頑張りでしのいできた。「球児(藤川)が打たれたらしょうがない」と岡田監督は言うものの、得意の継投策で喫した1敗は、重くのしかかった。

続きを表示

2008年5月4日のニュース