西武が一発攻勢で快勝！石井一は４勝目

　【西６―２ソ】西武が一発攻勢で快勝した。４回に片岡と中島のソロ本塁打で逆転すると、７回に中村、江藤の連続本塁打でリードを広げ、８回にも加点した。石井一は、８回途中まで２失点で４勝目。ソフトバンクの大隣は要所で制球が甘くなった。

　≪５試合連続３発以上≫７回、打席に向かう先頭打者の中村に、大久保打撃コーチから短い言葉があった。「外角真っすぐを、中堅から右方向にぶちこむつもりでいけ」と。これは実にしたたかで、的確な指示だった。
　伏線は２度の猛抗議だ。４回と５回に、厳しく内角を突いて３死球を出した大隣に、血相を変えた大久保コーチと渡辺監督が、つかみかからんばかりの勢いで詰め寄っている。マウンド上の２年目左腕は、顔面蒼白のまま帽子を取り、その光景を見つめるしかなかった。
　大久保コーチの洞察通り、内角をためらう大隣の初球は、外の真っすぐ。中村は迷いなく振り抜き、中越え本塁打。続く江藤も甘い直球をスタンドに放りこみ、若い左腕をＫＯした。チームはこの日の４本塁打を含め、ここ５戦で計１７発。球団では初めて、１試合３本塁打以上の試合を「５」に伸ばした。
　「勢いに乗っかって、どんどん打っている」と中村。渡辺監督は「秋からの成果。タイミングが合えば、初球からいっていいと言っている」と胸を張る。就任時に「個性派集団をつくる」と宣言した通り、若い才能がのびのびとプレーしている。