マー君 完封でも「すいません」

[ 2008年4月28日 06:00 ]

<楽天・日本ハム>日本ハム打線を6安打完封した楽天・田中が、お立ち台でイヌワシポーズをリクエストされるが、田中は拒否し、本家のフェルナンデス(右)が一人で披露

 【楽天5―0日本ハム】マー君完封で2位浮上だ。楽天・田中将大投手(19)が27日、日本ハム戦で制球に苦しみながらも三塁を踏ませず散発6安打完封で今季3勝目。プロ2年目ながら本拠地通算10勝に一番乗りとなった。チームも4月までに延べ6投手が完封勝利と、パ・リーグ史上初の快挙を達成。5連勝で球団最多タイの貯金3とし、最高の形で黄金週間を滑りだした。

 本当に申し訳ないと思った。スタジアムとクラブハウスをつなぐブリッジから田中が、顔を出して手を振った。橋の下からは約1000人の「マーく~ん」のカーテンコール。お立ち台で「どうもすいませんでした」と謝ったヒーローは再び頭を下げて声援に応えた。
 「お客さんにはストレスを与え続けたと思うので…。きょうは全然良くない。満足する完封じゃなかった。こんなに修正が利かなかったのは自分の中でも珍しかった」
 結果を見れば6安打完封。だが、4四球を含め打者33人中、3ボールになったのが11度と制球に苦しんだ。「情けない。去年と何も変わってない。試行錯誤しながらやったんですけど、本当にうまくいかなかった」。走者なしでもセットポジションからの投球を試したが、しっくりいかない。それでも今季習得したシュートなどで4併殺。「そこは去年と違うところかな。ゲッツーは去年と比べて増えている。そういう投球は続けたい」と「去年と何も変わっていない」のに三塁を踏ませなかった完封勝ちを分析した。
 今季最多の2万634人が集まった試合に「マー君効果か」と言った野村監督は不満顔。「まだコツをつかんでいないのかな。そのへんが大投手の片りんが出てこないところ。でも、あんまり良くなかったけど完封。まだ神様がついているのか?早くマー君、人の子、普通の子になってほしい」と独特の言葉で期待を口にした。それでも先発陣の好調ぶりでチーム防御率2・70はリーグトップとなり「それは結構なこと」と表情を崩した。
 チームの本拠地通算90勝の節目を本拠地10勝一番乗りで飾った2年目右腕。今季の白星は完投、完封、完封と1人で投げ切った。「できるだけ長くマウンドにいたい。去年は5回持たずってのもあったけど、早い降板がないのは少しは良くなったということ」とナインの最後に球場を去った。

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2008年4月28日のニュース