52年ぶり宇都宮で内海が連敗止めた

[ 2008年4月23日 06:00 ]

<巨人・横浜>横浜を破り、勝利のタッチをするラミレス(左)と内海

 【巨人6―1横浜】左腕エースが苦しい台所を救った。巨人・内海哲也投手(25)は22日の横浜戦で8回途中5安打1失点と粘り、今季2勝目。エース・上原らの不調で厳しい戦いが続く中、中5日での先発で奮闘した。チームは連敗を2で止めて4位に浮上。52年ぶりの公式戦開催となった栃木・宇都宮での1勝から巨大戦力の巻き返しが始まる。

 52年ぶりに行われた宇都宮での主催試合。記念すべきお立ち台に上がった内海が最高の笑顔を見せた。
 「せっかくの宇都宮だったので絶対勝てるようにと思ってました。凄い声援で負けなくて良かったです」
 成長が見えた116球だった。初回、2回と連続で1安打1四球を許す立ち上がり。「最初はバランスが良くなかったんですけど、3回くらいから良くなった」。きっかけは3回1死から迎えた金城の打席だった。2球目(この試合の47球目)に140キロ直球を内角低めに決めた。左足に体重をしっかり乗せてから、投げにいくまで力を抜く。リリースの瞬間に力を入れる好調時のフォームが、この1球に表れた。「(良くなった原因は)何ですかね。分からないですけど(マウンドに)慣れてきたからですかね」と明かさなかったが、入念な準備と投球術の向上が2勝目につながった。
 球場入りすると、すぐにマウンドの硬さ、傾斜をチェック。マウンドに体がなじむまでに47球を要したが、その後は8回途中まで1失点。阿部との苦心の配球で的を絞らせなかった。右打者の決め球には外角のボールゾーンから曲げるスライダーを使い、さらに、チェンジアップを内角に投じた。逃げるように打ち取る球を、わざとひっかけ気味に投げる逆の発想。「僕の中で一番思い通りに投げられる球種」と自信を持つ球に、さらに磨きをかけた。
 今季4度目の登板で初めてカード初戦を任された重責を果たした。次回は中4日で27日の阪神戦(甲子園)での先発が濃厚。「言われたところで結果を残すのが僕の仕事ですから」と前を向いた。上原の調子が上がらない中、柱としての自覚も十分だ。原監督は「最初は苦しんでいたけど粘り強く投げてくれた。120(球)はいきたくなかった」と次戦を見据えての降板だったことを説明した。
 52年前も宇都宮では1―0で大洋(現横浜)を破り、シーズンも優勝している。原監督は「ぜひ来年も公式戦をやってもらえたら勝てるんじゃないかな」と笑った。帽子のつばには長男・瑛太くん、聡子夫人のイニシャル「E・S」を書き入れている内海。一家の大黒柱が見せた投球術で、チームの順位は1つ上がった。

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2008年4月23日のニュース