福留効果でチームの出塁率向上

[ 2008年4月23日 06:00 ]

<カブス・メッツ>メッツを下しレフトのジョンソン(左)と喜び合う福留

 【カブス7―1メッツ】視界良好だ。カブスの福留孝介外野手(30)が21日(日本時間22日)地元でのメッツ戦に5番・右翼で先発。前日のパイレーツ戦を欠場する原因となった右まぶたの腫れもひき、4打数2安打と活躍した。4打席で相手投手に計29球を投げさせ、1点差の8回には好機を広げる粘りの打撃でチームの首位キープに貢献。福留効果でチームの出塁率はリーグトップで、大味だったカブスの野球が変わりつつある。

 前日右まぶたの腫れから今季初めて欠場した福留だが、持ち前の粘りの打撃は1日休んでも健在だった。6回1死の第3打席は9球目を左前打。2―1で迎えた8回無死一、二塁では5球ファウルで粘った後の10球目を左前に運んだ。この一打が2死から一挙5点の大量得点につながった。
 福留は「とらえきれなかっただけ。本当は引っ張って何とかしようと思ったけど、そんな球も来なかったし、併殺打にはならないようにって」と淡々と語るが、これで無死もしくは1死での得点圏打率は・857(7打数6安打)と驚異的だ。勝負強さだけではない。4打席で相手投手に計29球を投げさせた。1打席平均で投手に投げさせている球数は4・72で、両リーグトップの数字だ。
 出塁率の高い(リーグ7位の・444)福留の加入により、チーム内にも相乗効果が生まれている。現在、チーム出塁率・364はリーグトップ。伝統的に大振りする打者が多く、昨季は地区優勝しながら出塁率(・333)はリーグ9位だったが、今季の打線には“つながり”が出てきた。カ軍が最後にチーム出塁率でリーグ1位になったのは1945年で、その年を最後にリーグ優勝から遠ざかっている。ピネラ監督も「出塁率は今年の課題で、選手にもよく話をしている」とチームの変化を感じ取った。
 右まぶたの腫れもうみを出し、抗生物質をのむなどの治療で「きのうは(まぶたが)視界に少し入ったけど、きょうはそれがなかった」という。昼食には1月のハワイ自主トレでいつも食べていた郷土料理「ロコモコ」を調達し、パワーを“充電”した。チームも4連勝で貯金7。「雰囲気もいいし、少しずつ勢いは出てきてるんじゃないか」と話す福留は確実にチームの中心となっている。

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2008年4月23日のニュース