宿敵相手にヤンキース15得点大勝

[ 2008年4月18日 06:00 ]

5回、ポサダの適時打で一塁から激走し本塁に滑り込む松井秀喜(捕手・・バリテック)

 【ヤンキース15―9レッドソックス】走・攻・守でゴジラが輝いた。ヤンキースの松井秀喜外野手(33)が16日(日本時間17日)、レッドソックス戦でいずれもビッグイニングの起点となる2安打2得点。巧打、好守、激走で15―9の爆勝に導き、チームは今季初の3連勝でレ軍と並んでア・リーグ東地区首位タイに浮上した。本拠地で宿敵相手に15得点は1954年以来、実に54年ぶりの快挙。痛快白星にニューヨークが沸いた。

 導火線に点火したのは松井のバット、そして足だった。まずは3―3の4回に先頭打者として中前打。一挙4点を奪う猛攻を呼び込むと、7―9と逆転された直後の5回は1死から右前打。続くポサダの左翼線二塁打で一塁から激走した。手術明けの右ひざへの衝撃に歯を食いしばりながら最後は間一髪、捕手のブロックをかいくぐってホームを滑り抜けた。
 「送球が捕手の外側に来たのは分かったから、内側に滑り込んだ。打撃は打ち損じもあるけど、決して悪くないと思う。結果的にいいチャンスをつくれた」。この回、再び4得点を挙げる逆転劇を演出して胸を張った。
 守備機会は今季最多の10回。左翼線に何度も打球を追い、フェンス際の当たりを2度好捕するなどして貢献。「試合でこれだけ走ったのは初めてかもしれないけど、いいトレーニングになったんじゃない」と振り返る余裕も見せた。8回1死二、三塁で迎えた第5打席は“もう白旗”とばかりに敬遠された。両軍計24得点の乱打戦は走攻守で存在感を示した松井の活躍もあって、チームは今季初の2ケタとなる15得点で爆勝。ヤンキースタジアムでの宿敵・レ軍相手の15得点は1954年7月7日以来、実に54年ぶりの記録的大勝。今季初の3連勝でレ軍と並び、開幕戦以来の地区首位タイに浮上した。
 8日間の遠征明けだが、松井はこの日も集合時間より45分早く球場入りし、無人の外野を1人走り込んだ。出場15試合中12試合で安打。「あの振りを見ればひざがいいことも分かる」とジラルディ監督も全幅の信頼を置いている。
 敵地で迎えた先週末の3連戦は1勝2敗で負け越し。さらに、この日未明、ニューヨーク入りした際、チャーター機がわずか5分遅れたため、滑走路で10分間待たされる“屈辱”も味わった。それも本拠地対レ軍5連勝となる白星で吹き飛ばした。今季限りで長い歴史に幕を閉じるヤンキースタジアムの声援を背に、ゴジラの、ヤ軍の逆襲は始まったばかりだ。

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2008年4月18日のニュース