9年前のエース 比嘉監督、栄冠に歓喜

[ 2008年4月5日 06:00 ]

<PL学園・沖縄尚学>第71回選抜高校野球大会第10日最後の打者,永山を見送り三振に打ち取った瞬間,沖縄尚学・比嘉公也投手はガッツポーズ

 【沖縄尚学9―0聖望学園】沖縄尚学の比嘉監督は9年前と同じように、甲子園のマウンド付近で歓喜にむせぶナインを誇らしげに見つめた。99年センバツ優勝時、小学生だったナインが沖縄へ2度目の大旗をもたらした。「僕らが優勝したのを見て入学してくれた子と優勝できた。縁を感じる」。26歳の青年監督は唇を震わせると、必死で涙をこらえた。

 甲子園優勝投手として入学した愛知学院大で左ひじを痛めて学生コーチに転身。卒業後、沖縄市の浄水管理所に勤務しながら沖縄大で社会科教員免許を取得。コーチ、副部長を経て06年に監督に就任したが同年9月にいきなり部内暴力事件で対外試合禁止処分を受けた。「選手の思いをもっと知らなければ」と痛感し、“野球ノート”で対話を増やし、積極的にコミュニケーションを取った。当時1年生だった東浜ら、苦しい時代をともに乗り越えたナインとともにつかんだ栄冠だった。
 高校の同級生で、2月に結婚したばかりの裕美子夫人(26)が見守る中での優勝。「周りの方に感謝して、また自分も成長していきたい」。比嘉監督の挑戦に終わりはない。

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2008年4月5日のニュース