勧告拒否!オリックス「提訴」も視野

[ 2008年2月6日 06:00 ]

パウエル問題で、宮田編成部長(右)と共に会見に応じる中村球団本部長

 前巨人のジェレミー・パウエル投手(31)がオリックス、ソフトバンクと二重契約したとされる問題で、オリックスは5日、球団役員会を開いてパ・リーグ・小池唯夫会長(75)の「ソフトバンク優先」とした勧告を拒否する方針を決め、同連盟に通告した。今後はコミッショナー提訴を含め、強い姿勢で正当性を主張していく。またこの日、都内で釈明会見を行ったパウエルは二重契約を否定し、ソフトバンクでのプレーを強く希望した。

【パウエル二重契約問題


 キャンプ地、宮古島の球場玄関前で会見したオリックス・中村勝広球団本部長の口調は厳しかった。
 「はらわたが煮えくり返っている。百歩譲っても両成敗が当然だと思う。もっと精査して正しいジャッジを下してほしい」
 この日の午前、大阪市内の球団事務所で球団役員会を開いて対応を協議した。中村本部長も球団取締役として電話で出席。4日に示された「ソフトバンク入り優先」とするパ・リーグ小池会長の“強い勧告”を拒否する方針が決まった。口頭で連盟に伝えた同本部長は今後について「何らかの方向性を打ち出していく。今後も役員会で決める」とした。しかし、すでに球団内部では野球協約上の「提訴」を視野に入れた強硬意見も出ている。中村本部長は「見識ある方々の判断を仰ぎたい」と語るにとどめたが、提訴となればコミッショナーに訴えることになる。
 勧告とはいえ、パ・リーグとして一定の結論を受けており、協約上の「上訴」として根来泰周コミッショナー代行に訴え出る強硬措置を取る構えを見せている。提訴には「要求する解決方法」を明記する必要がある。この点に関して中村本部長は、3カ月の出場停止ではなく、ソフトバンク入りも無効とすることを強調。根来代行が当初、私見として示した協約第83条「不適格選手」を適用して、パウエルを日本球界から追放すべきとの見解で「これ(ソフトバンク入り)が認められれば、日本球界はガタガタになる」。タンパリング(不正交渉)ともいえる今回の強引な契約手法への制裁を望んでいる。
 コミッショナー側は提訴も想定してか、この日の午前中に根来代行がパ・リーグの村田事務局長を呼んで事情聴取を済ませている。
 中村本部長はパウエルが都内で行った会見について「あまりに自分勝手な解釈だ」とばっさり。宮田調査・渉外部長も「破棄とかの事実はない。交渉を粛々と進めていたら、突然連絡が取れなくなった」などと反証した。オリックスは一歩も引くつもりはない。

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2008年2月6日のニュース