パウエル「ソフト優先」と会長勧告

[ 2008年2月5日 06:00 ]

パウエルのニ重契約問題で会見する小池パ・リーグ会長(左)と村田事務局長

 前巨人のジェレミー・パウエル投手(31)がソフトバンク、オリックスと二重契約している問題で、パ・リーグの小池唯夫会長(75)は4日、同投手を事実上3カ月の出場停止とし、6月23日以降、ソフトバンクから支配下選手登録の申請があれば受け付けるとの“強い勧告”を両球団に伝えた。これに対し獲得の道が断たれることになるオリックスが猛反発。早期の契約が認められないソフトバンクも拒否反応を示した。渦中のパウエルは5日、都内で会見する。

 午後6時すぎに始まった会見。席についた小池会長の顔には疲労の色が濃く漂っていた。声を絞り出すようにソフトバンク、オリックスに伝えた“強い勧告”の内容を説明した。
 「連盟会長として、いつまでも放置はできませんので、会長の見解を両球団に伝えました。6月22日まで、申請を預かる。23日に福岡ソフトバンクホークスに対して、申請を受理する。そういうふうにいたしました」
 具体的には(1)交流戦が終了する6月22日までは両球団からの支配下登録申請を預かる。パウエルは事実上、開幕から3カ月の出場停止(2)今シーズンの支配下選手登録申請の許可の可能な期間である6月23日から30日までにソフトバンクから申請があった場合は受理する―の2点。小池会長は「ただし、その間両球団で話し合いがつけば、その時点で福岡の申請を受理する」と付け加えた。
 小池会長はこの日午前、村田事務局長とともに前日来日したパウエルから電話による事情聴取を行った。その後、午後2時から都内のホテルにソフトバンク・角田雅司球団代表、オリックス・機谷俊夫球団代表を呼び、話し合った。しかし「両球団の代表から、主張を聞いたが前回事情聴取した時と同じ平行線でありました」と両球団が一歩も引かなかったことからソフトバンクの優先権は認めるものの、球界を混乱させたペナルティーとして「出場停止」を科すという異例の“強い勧告”を伝えた。ただ小池会長はパウエルの事情聴取の内容については明らかにせず、最終的にソフトバンクに優先権を認めた理由は「受理しても(パウエルの契約が)成立しなければ意味がない。パウエルから事情聴取をしたという意味で理解してもらいたい」とパウエルの希望が1つの要因であることを示唆した。
 小池会長は「もうキャンプも始まっているわけですしね。ぜひご理解願いたい」と話したが、オリックスは“強い勧告”の受け入れに拒否反応を示した。宮内義彦オーナーは「私も球団も納得できるものではない。契約が両方正しければ先の方が正しくなるべきだし、高い金を出せば後出しジャンケンが許されていいのか。これはオリックスとソフトバンクの問題ではなく、日本球界と外国人選手の契約のあり方だ。とことん究明し、球界としてきちんとしたルールをつくらなければならない」と猛反発。今後、連盟に再度の事実解明と勧告の撤回を求める可能性もある。期限である6月22日まで支配下登録申請を取り下げず、パウエルのソフトバンク入りをぎりぎりまで阻止するという徹底抗戦に出ることも予想される。
 パウエルはきょう5日には都内で記者会見を行う予定で発言次第ではさらに混乱が深まる可能性もある。会長の「強い勧告」は出たものの、トンネルの出口はまだ完全には見えていない。

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