上原ロケットスタート!8分で“完投”

[ 2008年2月2日 06:00 ]

リラックスムードで練習をこなす巨人・藤田、バーンサイド、クルーン、豊田、上原、グライシンガー、吉武(右から)ら投手陣

 巨人・上原浩治投手(32)が1日、2年ぶりに宮崎キャンプ初日にブルペン入りし、捕手を立たせたまま55球の投球練習を行った。ブルペン滞在時間はわずか8分のハイテンポ投球。グライシンガーら新加入した外国人投手の橋渡し役にも名乗り出るなど、投手陣のリーダーにも意欲を見せた。2年ぶりの先発復帰で開幕投手の大本命右腕が“ロケットスタート”を切った。

 ハイテンポでハイレベルな投球だった。予告通りのキャンプ初日ブルペン。その中心に上原が立った。投球間隔は約5秒。セットで42、ノーワインドアップで13球。捕手のミットはほとんど動かない。32球目からギアを上げると、一連の動きは休むことなく続いた。

 「傾斜を使ってキャッチボールをしたかったからね。あすもあさってもこんな感じで。どんどんペースを上げて、いい形で打撃投手や紅白戦に入っていけたらいい」

 2年ぶりの先発復帰。ハイテンポ投球には野球人気復活の要因が含まれている。昨年のチームの1試合平均試合時間はリーグ3位の3時間17分。地上波中継の延長が激減する中、2時間台の試合をつくる上原なら午後9時までにゲームセットが見込める。「(横で投げていた)門倉さんにはあとで“ペースが速すぎる”と怒られました」と笑ったが、ファンにとって喜ばしい試合時間の短縮にもつながる。

 昨年のキャンプは両足の故障に泣かされた。長い回を投げるための練習ができず、開幕にも間に合わなかった。それだけにオフの自主トレでは質を落とさず量をコントロールしてこの日を迎えた。「(ケガは)突然やってくることだけど、恐れずにやる。自分と相談してやっていきたい。ケガさえなければいいので」。球筋より万全な体調を喜んだ。

 投手陣のリーダーとして自覚も十分だ。「クルーンは明るいけど、あとの2人(グライシンガー、バーンサイド)をどう心を開かせるか。それを課題としたい」。今季から新加入した外国人投手をチームに溶け込ませる、橋渡し役を買って出る構えを見せた。

 練習前に参拝した青島神社では絵馬に「明るく楽しく動きのある1年に!」と記した。2年ぶりの開幕投手、北京五輪での金メダル…。上原の“動きのある1年”が始まった。

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2008年2月2日のニュース