横浜新通訳に元ジョッキーの安藤氏

[ 2008年1月17日 06:00 ]

プロ野球・横浜の新通訳に就任する安藤裕さんのジョッキー時代

 球界初となる異色の経歴を持った通訳が誕生する。昨年までカナダ、マレーシアの海外レースでジョッキーを務めていた安藤裕氏(28)が横浜の通訳として採用されることが16日、決まった。

 幼少のころから騎手にあこがれていた安藤氏は視力が悪く、JRA(日本中央競馬会)の規定をクリアできなかったため、高校卒業後の99年に単身渡英。競馬学校に入学し、調教助手を務めるなどして腕を磨いた。その後、03年にカナダに渡り騎手免許を取得。シーズンオフにはマレーシアのレースでも騎乗するなど、04年から昨年までの4年間で約2000レースに騎乗し、重賞1勝を含む110勝。通算獲得賞金額は1億円以上を稼いだ。

 しかし、中学時代に野球部に在籍した安藤氏には抱き続けてきたもう1つの夢があった。「野球界で働きたい」。昨年11月、日本に一時帰国した際に偶然、横浜の通訳募集の記事を目にして一念発起した。「記事を見た瞬間に“これだ”と思いました。騎手になるという1つの夢はかなえたので野球界で働くなら今しかない」。カナダで永住権を取得するなど、海外生活で培った語学力を面接でアピールした結果、念願の球界入りを果たした。

 今季の横浜は6人中5人が新外国人。ひとまず安藤氏は2軍の湘南を担当する。外国人の出来が、そのままチーム成績に直結しそうな状況だけに、求められる役割は大きい。「自分も海外にいたので気持ちは分かる。一生懸命サポートしたい」。語学力を生かした巧みな手綱さばきに注目だ。

 ◆安藤 裕(あんどう・ひろし)1979年(昭54)10月19日、東京都生まれの28歳。東京・日本工大東京工中では野球部に在籍し、ポジションは二塁手だった。同高では器械体操部に所属。卒業後は騎手を志し、英国に渡って01年からカナダに移住。05年7月に待望の重賞初勝利を挙げるなど騎手として通算110勝を挙げた。1メートル71、48キロ。既婚。

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2008年1月17日のニュース