日本一奪還へ 小笠原「無」の境地

[ 2008年1月9日 06:00 ]

自主トレを終え、左ひざにアイシングをした状態で報道陣の質問に答える小笠原

 昨年、2年連続のMVPを獲得し、チームのV奪回に貢献した巨人・小笠原道大内野手(34)が8日、川崎市のジャイアンツ球場で始動した。オフに左ひざを手術したため、この日は軽めのメニューながら、術後初のキャッチボールを行うなど順調な回復ぶりをアピールした。今季のテーマは昨年の「挑戦」から「無」へ。侍は無の境地で巨人移籍2年目のシーズンに臨む。

 約3時間の練習。うっすらと汗で濡れた小笠原の顔には、満足感と安ど感があふれていた。「非常にいい1日だった。思った以上に動けた」。昨年11月に半月板の内視鏡手術を受けた左ひざにアイシングしながらの会見も、回復に手応えをつかんだ様子だった。
 午前9時半、球場に姿を見せると2時間のウエートトレを敢行。その後はグラウンドでひざを意識的に高く上げてウオーキング、軽いジョギングも行った。キャッチボールでは静かに左足を踏み出し、感触を確かめるように何度も接地し直した。「体重をかけたときも負担がなかった」と30分間、じっくり白球を投げることができた。
 昨年10月には左ひざ手術のため、内定していた北京五輪アジア予選代表を辞退。シーズンでもチームをリーグ優勝に導いたがCSで敗退。「挑戦」をテーマに掲げた新天地での1年は消化不良に終わった。史上初となる、リーグをまたいでの2年連続MVPに輝いた侍といえども、不安を抱えての年越しだった。それだけに順調に第一歩を踏み出せた喜びは大きかった。
 今季のテーマには「無」を掲げた。「無心で突き進む。目標は開幕戦でグラウンドに立つだけ」。まだキャッチボールを再開したばかりとあって発言は控えめ。今後については「フルスイングは3月ぐらい。トレーナーと相談しながら調整のペースを上げられれば」と語ったが、照準は3・28開幕戦(対ヤクルト)にピタリと合わせてある。
 昨年末に家族旅行で訪れたハワイでも、ウオーキングなどで必死に体を動かし、体重は微増に収まっているという。開幕まで2カ月半。リーグ連覇、日本一奪回のカギを握る侍は無心で戦の準備を整える。

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2008年1月9日のニュース