【落合×ジブリ鈴木敏夫 旧友対談】思い出深い宮崎駿監督との“我慢比べ”「残ったの鈴木さんだけだ」

[ 2023年12月22日 17:00 ]

落合博満氏と対談したスタジオジブリの鈴木敏夫氏
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 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(70)が22日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。好評対談企画「博満の部屋」第5回目として、株式会社スタジオジブリ代表取締役議長で数々のジブリ映画プロデューサーとして活躍する鈴木敏夫さん(75)をゲストに招いて対談を行った。

 この日はいよいよ鈴木さんが宮崎駿監督との出会いを語った。徳間書店で宮崎監督をインタビューで扱うため、鈴木さんは同監督のもとを訪れたが、会ってみての第一印象については「なかなか嫌な男でね」と苦笑い。同監督から「あんたの雑誌っていうのは、アニメを使って青少年をだまくらかして金儲けようっていうんだろ。そんな雑誌には協力できない」と言い放たれてしまう。

 「頭にくるじゃないですか」と鈴木さんはこぶしに力を込めたが、部屋を見ると、同監督の隣の席が空いていたことに気が付き、そこに座って仕事を始めたという。お互いに黙々と仕事をしているため、無言。静寂に包まれる部屋で、午後2時頃から2人で座っていたが、「気がついたら午前4時」という我慢比べだった。

 ところがこれで終わりではない。「で、いきなり言われました。“明日は9時ですから”と。夜の9時だと思ったら“朝です”って言われて」と、我慢比べは翌日に持ち越しになった。次の日も変わらず無言で黙々と仕事をしたという。

 「それで3日目ですよ」。宮崎監督が映画「ルパン三世 カリオストロの城」の絵コンテを描いていた時だった。映画の冒頭である車のカーチェイス。「僕にね、パッと見せたんです。いきなりですよ。“外から行って回り込むやつは何か専門用語ないか”って言われたんです」。競輪場でアルバイトをしたこともある鈴木さんは、即座に「“まくる”って言うんですよ」と会話が始まり、「“まくる”っていうのが、そういうの好きだった人だったから、それで一気に仲良くなるんですよ」と、距離が一気に縮まった。

 「でも、3日目ですよ」と落合氏は時間の長さに驚いたが、鈴木さんは「そっからね、毎日会ってたんですよ。映画できるまで」と相棒のような存在になった。ところが名作としても知られる『カリオストロの城』だが、鈴木さんは「当時、全く当たらなかった。何億円の赤字出しちゃった」と苦笑い。ここで、またターニングポイントが訪れる。

 「それで、ハッと気がついたら、彼の周りから親しかった人がみんな、去っていったんですよね」。そして、傷心の宮崎監督がつぶやいたのが「残ったの鈴木さんだけだ」と話し、文字通りの相棒となった。

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