藤井王将 名人初挑戦へ形勢優勢 夕食休憩までに77手 勝てばプレーオフ以上確定

[ 2023年3月2日 18:09 ]

A級順位戦最終9回戦の一斉対局で稲葉陽八段と対局する藤井聡太王将(日本将棋連盟提供)
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 藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖含む5冠=が2日、静岡市で第81期名人戦A級順位戦の最終9回戦一斉対局に臨み、稲葉陽八段(34)と対局した。午後6時からの夕食休憩までに指し手は77手まで進み、形勢は先手藤井の優勢になっている。

 10人が年度を通して総当たりし、渡辺明名人(38)=棋王との2冠=への挑戦権を争う戦い。6勝2敗で広瀬章人八段(36)と首位で並ぶ藤井が勝てばプレーオフ以上を確定させる。

 戦型は藤井の得意戦法、角換わり腰掛け銀に進んだ。6時間の持ち時間のうち藤井が2時間15分、稲葉が2時間9分残しているが、局面は終盤の寄せ合いに入っている。

 形勢判断の要素は「駒割り、駒の働き、王の固さ、手番」とされる。駒割りは稲葉の角銀得に対し、藤井は成金を作っている。ところが、稲葉は自陣に飛車角が閉じ込められ、金銀3枚の囲いに入城した藤井王に対し、稲葉王は藤井飛車に肉薄されている。

 一方、広瀬は菅井竜也八段(30)と対戦し、戦型は振り飛車党菅井の三間飛車へ進んだ。夕食休憩時点ではお互いの王が金銀4枚の穴熊に収まり、長い中盤戦が続いている。

 渡辺に挑むのは藤井か広瀬か。はたまた最大5人によるプレーオフの可能性もあり、「将棋界の一番長い日」は今年も深夜まで決着がずれ込むと見られる。

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