ティモンディ・高岸 BC栃木入団 実力にトライアウト捕手役が驚き「芸人さんが投げる球じゃない」

[ 2022年7月19日 12:04 ]

栃木ゴールデンブレーブスの新入団選手記者会見に登場し、背番号「16」を見せるお笑いコンビ「ティモンディ」の高岸宏行
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 独立リーグのルートインBCリーグ・栃木は19日、お笑いコンビ「ティモンディ」高岸宏行(29)の入団を発表した。

 芸能人とプロ野球選手という異色の「二刀流」が誕生した。今年6月に行われたトライアウトを受験。1メートル88、90キロと恵まれた体格で、卓越した身体能力を評価され、幼い頃からの夢だった「プロ野球選手」を叶えた。投手として登録され、背番号は16と発表された。

 過去にはお笑いコンビ「360°モンキーズ」の杉浦双亮(当時、現・サブロクそうすけ)が登録名・サブロク双亮として、独立リーグの四国IL・愛媛でプレーした。

 会見に臨んだ高岸は、「こんにちは!!ティモンディの高岸です!」と元気よく挨拶し「プロ球団として、皆さんに野球を通じて元気、感動、勇気を与えているチームの一員になれたこと、一員となってみんなを応援できることがとっても幸せです!!」と大喜び。「野球の現役という点では10年ぶりの実戦復帰。何歳からでも挑戦するのに遅いことはないということ、いつからでもやりたいことをやって、挑戦すること自体が楽しいんだよということを、姿勢でもプレーでもお伝えできればと考えています!」と意気込んだ。

 会見ではトライアウトを受験するまでの様子も紹介された。高岸は仕事の合間を縫ってトレーニングを続け、シート打撃に登板して打者2人と5打席勝負。元ソフトバンクの川崎宗則らがバックで守り、川崎から「高岸思い切っていけ!」「さあ来い!上甲監督!」と済美時代の恩師の名前を交えてエールが飛ぶ中でトライアウトが始まった。緊張でなかなかストライクが入らない中でも、中飛、左前打、遊ゴロ、三ゴロ、空振り三振の内容。「投げ込みで手首が安定してない。バックの声がなかったら全部四球で終わってた。応援でなんとか投げ切れた。悔いなく出し切れました」と充実感をにじませていた。

 シート打撃で対戦した、日大三出身で立正大では全国制覇を果たしている谷田部翔太内野手は「緩急があって、背も高いので見下ろす感じがあった」といい、北照‐立正大出身の佐々木斗夢外野手は「ボールが動く。日本人ぽくないボールの性質でした」と振り返った。また捕手役を務めた叺田(かますだ)本気捕手は「ボールが速い!芸人さんが投げる球じゃない。最初の方が緊張だったり、力みがあったと思うんですけど、そこから自分で修正して打者と勝負できていた」と驚いた。

 ロッテなどでプレーした成瀬善久選手兼投手総合コーチは「フォークで空振りとれるのが魅力」と評価。元巨人の寺内崇幸監督も「やればできるという姿を見せてほしい。チームや選手、子供達、地域の人たちにとっても意味のある加入。すごく期待してチームを率いたい」と期待を寄せた。

 高岸はトライアウト合格後、川崎と会話したといい、「すごく前向きな言葉をいただいて。あなたは投げ屋さんだからと。自分のしたい投球は何?と聞かれて、魂のボールを投げたいと言ったら、それだけに徹してくれればいい。後ろ信じてやってほしいと温かい言葉をいただいた。素敵な方だと感じた」と感激した様子だった。

 高岸は高校野球の名門・済美(愛媛)出身。プロを目指してこちらも大学野球の強豪・東洋大に進学したが故障で断念した。2015年、高校の同級生だった相方・前田裕太とコンビ結成。「やればできる!」の熱血キャラでブレーク。お笑いだけでなく、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」にも出演するなど活躍の場を広げている。前田とのバッテリーでプロ野球の始球式にもたびたび登場。2021年4月には札幌ドームで芸能界最速の142キロをマークしていた。

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