田中道子 ドラマ「六本木クラス」に出演 「クッションの役割」

[ 2022年7月19日 08:30 ]

女優業への思いを語った田中道子
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 【牧 元一の孤人焦点】女優の田中道子(32)がテレビ朝日で放送中のドラマ「六本木クラス」(木曜後9・00)に出演する。

 主人公・宮部新(竹内涼真)と楠木優香(新木優子)が訪れるダイニングバーの店主・理沙ガルシア役。スペイン人の父、日本人の母の間に生まれ、スペインで育ち、六本木で店を開いたという役柄で、まずはグリーンのボブヘアが鮮烈な印象を与える。

 田中は「最初は、私がこの髪になるの!?と思いました。似合わないし、ドラマの中で浮くんじゃないかと心配しましたけど、衣装もこだわって作って頂いて、今では、こういう人がいるかもしれないと思って気に入っています」と笑う。

 ガルシアは普段、日本語だが、感情をあらわにする時はスペイン語。撮影を前に、初めて挑む言語の指導を受けた。

 「役名と同じガルシアさんという方にみっちり教えて頂きました。英語の『R』の巻き舌とも違う独特の巻き舌をしなくちゃいけないので苦労しました。現場でセリフが変わることもあるから撮影の時は結構緊張感がありますけど、ガルシアさんからは『スペイン人が聞いても違和感がなくなった』と言われます」

 作品の中で異彩を放つ役柄。設定として「頭のネジが1、2本抜けているような女性」という要素がある。

 「いい男が好きで、切れると、スペイン語でまくし立てます。シリアスな展開が続く中で肩の力が抜けるようなシーンの人。ドラマのクッションになる役割を担っていると思うので、明るく、ちょっと笑ってもらえるようなお芝居を心掛けています」

 このドラマの撮影と並行して、舞台初主演作「赤羽焼肉劇場」(9月7日~11日、東京・池袋のシアターグリーン BIG TREE THEATER)の稽古が始まる。

 昨年10月に朗読劇に出演したが、本格的な舞台出演は今作が初めてだ。

 「怖いです。セリフを全て暗記しないといけなくて、舞台の上で頭の中が真っ白になるんじゃないかという不安があります。初めてドラマに出演した時もそうだったんですけど、私は初めてやることに対して人一倍緊張感が高まる性格なんです。ストーリーが面白いので、楽しみも2割あるんですけど、怖さが8割です」

 赤羽に実在する焼き肉店を舞台とする物語。コロナ禍で経営難に直面する中、店主の兄を支える主人公・マチコを演じる。

 「私自身に近い役になると思います。監督さんと台本の話をした時、私の性格や子供の頃の話を聞いてもらいました。私は普段、とっぴな行動をしないし、あまり怒ることもないけれど、一度だけ、めいっ子がいじめられているという話を聞いた時にぶち切れたという話もしたんです。稽古をしているうちにほぼ自分自身になると思うので、役名を『マチコ』じゃなく『ミチコ』にしてもらおうかな、と思うくらいです」

 今は不安を口にしているものの、実際に本番を迎えて舞台の上で観客の拍手を浴びれば生の芝居の面白さにはまる可能性もある。

 「こうして話しているうちに、楽しみが2倍になって来ました。楽しみが4割、怖さが6割。失敗したくなくて縮こまってしまうのが私の悪いところ。新しいことに挑戦させて頂けるのはありがたいことで、そこで自分を磨くことができます。楽しんで演じます」

 2016年にドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」で女優デビューしてから約6年。近年もドラマ「極主夫道」(20年)や「君と世界が終わる日に」(21年)などに出演して経験を重ねてきた。

 「女優を目指した時から、アクション女優になりたいと言って来ました。5年くらい前にバイクの免許を取ったし、20代の頃はバク転の練習もしてたんです。いずれ、映画『バイオハザード』のミラ・ジョヴォヴィッチさんのように戦う孤高の女性の役を演じたいです」

 今後の飛躍が楽しみな役者だ。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。

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