ただ今奮闘中 西武のリードオフマン・金子侑「1打席、1打席、後悔のないように」

[ 2024年5月8日 08:00 ]

西武・金子侑
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 両リーグ最速の20敗を喫し、厳しい状況が続く西武。得点力不足が課題の打線で金子侑司外野手(34)が奮闘している。プロ12年目。若手との外野手争いを勝ち抜き、リードオフマンとして打線を支える姿に熱いものを感じる。

 思い返すと、昨年の6月14日巨人戦。不振が続いた金子侑に東京ドーム左翼席の西武ファンから「働け、働け、金子」コールが飛んだ。結果が出せなければ、厳しい声が飛ぶプロの世界。数字を残せない悔しさは自身でも分かっているが「正直きつかったな…」と苦虫をかみながら本音を漏らしたことがあった。

 昨年は打率・179、1盗塁。4年契約が終わり、減額制限越えの5600万円ダウンの単年契約で更改した。まさに「背水」の1年を迎えている。

 34歳の誕生日となった4月24日オリックス戦(京セラドーム)。西武ファンからはバースデーソングが演奏され、場内は拍手に包まれた。「ハッピーバースデーを流してもらえたのでうれしかった。なかなかないことだと思うので良かった」と感慨深げに語った。1点を追う9回2死一、三塁、絶体絶命の状況で守護神・平野から同点の中前適時打。試合には敗れたが、諦めない姿はファンやナインに勇気を与えたはずだ。

 通算1000試合出場を達成したメモリアルゲームでは祝砲を放った。4月29日ソフトバンク戦(みずほペイペイ)の5回に一時勝ち越しとなる2号3ラン。それでも、チームは3試合連続のサヨナラ負けの屈辱を味わい「苦しいですけど試合は続いていく。まだまだ調子を上げてやっていかないとダメ。1打席、1打席、後悔のないようにやっていきたい」と慢心はない。

 長年の課題とされる「西武の1番打者」を務める金子侑。後先を考えず、がむしゃらに戦う背中がチーム浮上の突破口を切り開いてくれるはずだ。(記者コラム・福井 亮太) 

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