大阪桐蔭も撃破の大院大高 ドラフト候補・今坂が2安打でアピール!視察したNPB9球団スカウトの反応は

[ 2024年5月7日 06:00 ]

春季高校野球大阪大会準々決勝   大院大高2-1大阪桐蔭 ( 2024年5月6日    シティ信金スタ )

<大院大高・大阪桐蔭>9回無死一塁で右前打を放つ大院大高・今坂(撮影・河合 洋介)
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 大阪大会は準々決勝4試合が行われ、大院大高が大阪桐蔭を2―1で下して2011年以来13年ぶりの準決勝に進んだ。今秋ドラフト候補に挙がる「3番・遊撃」の今坂幸暉(3年)は、2安打で逆転勝利に貢献し、視察したNPB9球団にアピール。さらに大商大高、東海大大阪仰星、興国が4強に進んだ。

 強豪撃破が奇跡ではないことを、大院大高の今坂が示した。最速154キロ右腕の平嶋桂知(3年)との対決を「評判通りの投手で楽しかった」と振り返った。3打席目の7回先頭で中前打。0―1の9回無死一塁ではスプリットを右前に運び、右翼手が三塁に悪送球する適時失策を呼んで同点に追いついた。さらに三走として、続く打者の暴投の間に決勝の生還。縦横無尽に駆け回って奪った大金星に「率直に、めちゃくちゃうれしいです」と感情を爆発させた。

 甲子園出場は1996年の選抜のみの私立校が、4回戦で履正社からサヨナラ勝利を挙げるなど快進撃を続けている。1点劣勢だった9回の攻撃前に、主将の今坂がナインを集め「履正社に勝ったのが偶然とは言わせへんぞ!」と声を張った。そして09年夏のPL学園以来15年ぶりに同一大会で大阪桐蔭と履正社の“2強”を破った高校になった。

 同校には外野一面人工芝の練習場など府内屈指の練習設備が整っている。ただし現在の環境が完成したのは、今坂の入学後。同校のスタッフは、練習場の完成イメージ図を手に勧誘に回り、今坂や正捕手の志水那優(3年)らプロから注目を集める逸材をそろえた。

 大阪市大(現大阪公立大)前監督で、昨年3月から指揮を執る辻盛英一監督は「2強に力で勝つことを目標にしてきた」と胸を張った。髪形の自由化、選手発案の練習法などで主体性を育み、公式戦でも選手が作戦を考える「ノーサイン野球」を貫いて2強撃破。大阪に、新時代到来を予感させる春の新風が吹いている。 (河合 洋介)

 ◇今坂 幸暉(いまさか・ともき)2006年(平18)10月19日生まれ、山口県下関市出身の17歳。小2から山口下関ボーイズで野球を始めて二塁手。小3から中学までは苅田ボーイズに所属。大院大高では1年夏に背番号19でベンチ入りし、1年秋から背番号6。50メートル走5秒9、遠投115メートル。1メートル78、80キロ。右投げ左打ち。

 ▼日本ハム荻田圭スカウト 欠点がなく走攻守が高い水準でそろっている。
 ▼巨人岸敬祐スカウト 軽快な足さばきが一番の魅力。

 <大阪大阪桐蔭>19年夏の準々決勝で金光大阪に敗れて以来、13季ぶり(20年春の中止を除く)に大阪4強入りを逃した。1―0の9回に適時失策と暴投で逆転を許し、西谷浩一監督は「負けるときはそうだと思うが、守りをしっかりとしないといけない」と反省した。とはいえ今春選抜で先発出場のなかった4選手をスタメンで起用するなど、新戦力の見極めを進めており、「底上げはできてきた。夏に向けて練習試合などで、どれだけ勉強できるか」と雪辱を期した。

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