【スポニチスカウト部(13)】二刀流の彗星・森井翔太郎 夢は大きく!進学校・桐朋からメジャーへ

[ 2024年5月7日 06:00 ]

投打二刀流でプロからの注目を集める桐朋・森井(撮影・村井 樹)
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 今秋のドラフト候補となる選手にスポットを当てる「スポニチスカウト部」。アマチュア担当記者の独自目線による能力分析とともに、選手たちの素顔を紹介する。第13回は、桐朋(東京)の遊撃手・森井翔太郎内野手(3年)。進学校に突如現れた、投げても最速152キロを誇る投打二刀流の魅力に迫った。

 無限の可能性を秘めた逸材が通っているのは、東京でも屈指の進学校・桐朋。東大合格者も毎年のように輩出する中、野球に全てを懸けているのが森井だ。打っては高校通算31本塁打、投げても最速152キロを誇る二刀流は「どっちかではなく二刀流で成功したい」と強い覚悟を示す。

 一冬越えて、スカウトからの評価を一気に上げた。昨秋までは守備面に課題を残していたが「オフにたくさんノックを受けるなどしてだいぶ良くなった」。足の運び方やグラブの出し方は、プロ選手の動画を何人も見て研究。華麗なグラブさばきと強肩を生かした遊撃での広い守備範囲は、今では魅力となりスカウトからの評価も高い。

 高校から始めた投手でも急成長を続けている。1年時は140キロだった最速は、4月の練習試合で152キロを計測。「もともと食べる体質で食べないと気が済まない」と毎晩、3合の白米を食べ続けて体も大きくなり「球速アップにもつながっていると思う」と成長に手応えを感じている。

 進学校ということもあり平日の練習時間はわずか2時間ほど。それでも「自分は野球選手として生きていく」と強い決意を胸に、帰宅後はスクワットや腕立て伏せ、素振りなど毎日のように決めたトレーニングに励む。オフの日も学校のグラウンドで自主練習をこなしてから帰宅することを自らに課し、田中隆文監督も「本当によく練習する子。チームの柱だという自覚も芽生えてきた」と野球に対する姿勢に目を細める。

 桐朋からのプロ選手誕生となればもちろん初。周りの期待も感じているからこそ「桐朋からプロを目指すというのはこれまでなかったと思う。本当に悔いなく終わりたい」と残り少ない高校野球に対する熱い思いを語った。夢は大きく「メジャーリーガー」。無限の可能性を秘めた逸材は、今夏の主役に躍り出る可能性も十分に秘めている。(村井 樹)

《6年間の集大成「悔いのないように」》
 ○…最後の夏は6年間の集大成でもある。森井も含めて3年生12人は、桐朋中の軟式野球部時代からのチームメート。仲間と戦える最後の大会だからこそ「みんなとできるのは最後なので、悔いのないようにやりたい」と思いを語った。授業後の練習時間は2時間程度だが、ともに過ごしてきた時間は長く絆も深い。最後は「この仲間とだからここまで成長できた。なんとしても一勝でも多く勝ちたい」と感謝を伝えた。

 ☆球歴 桐朋小1年時から野球を始め、6年時には西武ジュニア入り。桐朋中では軟式野球部に所属。高校では1年夏に背番号15で初めてベンチ入り。憧れの選手はレンジャーズ・デグロム

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