赤星憲広氏 阪神・近本の高い攻守技術が勝利に貢献!岡田監督の策がはまるのも「強いチームの証明」

[ 2024年5月6日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神4-2巨人 ( 2024年5月5日    東京D )

赤星憲広氏
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 【赤星憲広 視点】打席でも守備でも近本が高い技術で勝利に貢献した。3回の先制2ランは、細かくタイミングを合わせていく準備と工夫が実を結んだ。セットからの高橋礼の投球に対して、1球目には右足を長く上げ、間を計っていた。

 独特のフォームからのクイックにいかに合わせていくか。絶えず工夫して考える中で、4球目を捉えた。タイミング的には急なクイックだったが、それがスライダーだったことで、うまくタメもできた。工夫を続けたことで、相手を上回った形だ。

 4回2死三塁での坂本の打球をスライディングキャッチしたプレーも素晴らしかった。本塁打以上に価値がある。打球は回転せず、揺れながら飛んできた。中堅の経験者としても難しい打球だったことが分かる。近本はまず横に出て、前に走り、揺れてくる打球にどんな体勢でも捕球できる構えで対処した。

 球場に多くの子供たちの姿があった「こどもの日」に「さすがプロだな」というプレーを見せてくれた。野球は打つだけでなく、守ること、走ることも大事だ…ということがきっと伝わったはずだ。

 高橋礼の攻略に向けて近本、中野、佐藤輝と3番まで左打者を並べた打線が機能した。高橋礼からの6安打はすべて左打者。ダメージが大きい同一カード3連敗も阻止した。選手が岡田監督の起用と思惑に応え、狙い通りの展開に持ち込んだ。こうした策がはまるのも、強いチームの証明だ。内容的にもいい勝ち方で、今後につながると思う。 (本紙評論家)

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