ドジャース・大谷 蜂大量発生で試合開始遅れ…“ブンブン丸”今季初1試合3三振

[ 2024年5月2日 01:30 ]

ナ・リーグ   ドジャース3―4ダイヤモンドバックス ( 2024年4月30日    フェニックス )

<Dバックス・ドジャース>7回、三振に倒れる大谷(撮影・光山 貴大)
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 ドジャースの大谷翔平投手(29)が30日(日本時間1日)、敵地のダイヤモンドバックス戦で思わぬ珍事に見舞われた。バックネット上部に蜂が大量発生した影響で、1時間55分遅れでの試合開始。得点圏で2度凡退するなど今季初めて1試合3三振を喫し、8号もお預けとなった。チームも延長10回に逆転サヨナラ負け。踏んだり蹴ったりの夜となった。

 大歓声が向けられたのは大谷ではなく、白い防護服を身にまとった無名の蜂駆除業者だった。バックネット上部に大量発生した蜂を手際よく吸い取っていく。作業時間はわずか3分。駆除を終えクレーンで下降する際にはスタンディングオベーションとMVPコールを浴び、突如現れたヒーローは左手でガッツポーズを繰り出した。

 まれに見る珍事だった。ダイヤモンドバックスの本拠地であるチェース・フィールドは開閉式の屋根。この日は屋根が開けられたことも災いした。瞬く間に蜂の巣らしきものが出来上がり、バックネットの観客の一部は避難。大谷もなすすべはなく、ベンチで腕組みしながら異例の光景を見つめた。メジャー公式サイトによれば、同球場では14年4月3日も蜂が理由で試合開始が遅延。bee(蜂)にひっかけ、ビートルズの名曲「Let It Be」が場内に流れる粋な演出が、待ちくたびれた心を和ませてくれた。

 1時間55分遅れて、試合開始は午後8時35分。さすがの大谷も遅延による影響を“無視”することはできなかった。エンゼルスに在籍していた昨年6月26日のホワイトソックス戦は、顔付近に飛んできた小さな虫を振り払った直後に右越え弾。蜂の登場も吉兆かと思われたが、今回はブンブン丸になってしまった。初回こそ中前打を放ったが、後が続かない。1点を追う5回1死満塁では2球目が暴投となり同点に追いついたが、フルカウントから空振り三振。4回の第2打席から3打席連続三振で、今季初の1試合3三振を喫してしまった。2―2の延長10回無死一、二塁も二ゴロ。誰もが期待した8(ハチ)号はお預けとなり、得点圏打率は・184まで下がった。

 「クレージーな日だった。あんなのはこれまで見たことがない。ただ、試合ができたのは良かった。ダイヤモンドバックスと駆除業者は良い仕事をした」。デーブ・ロバーツ監督は今季初のサヨナラ負けにも、冷静に振り返った。試合終了は午後11時22分。ヒーローの座を譲った大谷にとって、泣きっ面に蜂の一日となった。(杉浦 大介通信員)

 ▽大リーグでの蜂の大量発生 女王蜂は新しい女王蜂が生まれると、働き蜂を連れて別の巣に移動する。これを「分蜂(ぶんぽう)」と呼び、春から夏にかけてよく見られる。球場に巣を作ることは珍しくなく、昨年8月27日にもオリオールズ―ロッキーズ戦で中断。09年7月2日のパドレス―アストロズ戦では52分間中断し、当時ア軍の松井稼(現西武監督)は「何千という大群で、あんなの初めて」と仰天した。19年5月6日のレッズ―ジャイアンツ戦ではレ軍の二塁手ディートリックが自ら駆除機を持ち出してきて、蜂の大群を撃退した。

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