31歳でT・J手術を受けたソフトバンク・武田の「勇気」 完全復活へ、右腕は希望を持ち続ける

[ 2024年4月30日 05:00 ]

リハビリ組に合流したソフトバンク・武田(撮影・成瀬 徹)
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 【鷹論】年齢を考えると、もの凄く勇気のある決断だと思った。ソフトバンクの武田翔太投手(31)のことだ。4月に右肘内側側副じん帯再建術(通称トミー・ジョン手術)と鏡視下肘関節形成術を受けた。競技復帰まで1年から1年半の見込みと診断されている右腕は4月18日に福岡県筑後市のファーム施設に現れた。

 「ちょっと(復帰までの期間が)長いので。実感はないですけど、前を向くしかない。やるべきことをしっかりやって。復帰のめどとか、来年のどこかになるんですけど」

 22年8月の日本ハム戦(札幌ドーム)で先発した際に右肘の張りで途中降板し、「右肘内側側副じん帯の炎症」と「浅指屈筋の軽度の肉離れ」と診断を受けて離脱した。以降、肘痛との付き合いは2年になる。だまし、だましやってきたところもあったという。今季は3月5日のヤクルトとのオープン戦登板を最後にリハビリ組へ移っていた。「このままやっていても良くないのはあったので。これから先のことも含めて。きっちり治した方が早いのかな」とメスを入れる決断をした。

 チームメートの存在も大きかった。43歳のベテラン左腕、和田はオリオールズ時代の12年に左肘の内側側副じん帯再建術を受けており、武田は手術を前に相談して術後のトレーニング方法など助言を受けたという。和田は「投げられそうで投げてはいけない葛藤が凄くある」という経験談を報道陣に話したことがある。これを聞かれた武田は「今は投げられる気がしないですけど、絶対そうだと思います」とうなずいた。そして明るい表情で続けた。

 「我慢というか。そこら辺で(ストレスが)たまったら、左で投げるかもしれないです。それで発散して…」

 そう冗談めかして報道陣に明るく振る舞った背番号18は希望を捨てていない。一歩ずつ段階を踏みながら、再びスポットライトを浴びることをファンも信じて待っている。 (杉浦 友樹)

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